磐田市の公園100園、浸水想定の記録は0園。台風の前に何を見るか
台風の季節に入ると、行き先を決める前に一度は気になることがあります。この公園、水が出る場所ではないのか。川沿いを走って着く公園なら、なおさらです。
先に白状します。当サイトの公園データベースには、浸水の想定を記録した欄がありますが、2026年8月28日時点で値が入っている園は0園です。100園ぜんぶ空欄です。公園の名前から浸水を調べる、という使い方が当サイトではまだできません。
では何を見ればいいのか。磐田市が公開している図面の中身と、住所で引く手順、そして当サイトが今どこまで書けてどこから書けないのかを、この日のうちに開いておきます。
先に結論:公園名ではなく住所で、市の図面を引く
Q. 磐田の公園が浸水する場所かどうかは、どこで調べればいいですか。
A. 磐田市ウェブサイトの「磐田市ハザードマップ」のページです。2026年8月28日に確認した時点で、洪水・高潮・津波・土砂・液状化・ため池など8種類の図面が公開されています。当サイトの公園データベース100園には浸水想定の記録が0園しかないため、公園名からは調べられません。行き先の住所で図面を引いてください。
この記事は、磐田市の公園100園を横断して数えた記録と、市が公開している図面の一覧を突き合わせたものです。特定の公園が浸水するかどうかを当サイトが判定することはしません。浸水想定は住所と標高で決まるもので、公園の設備の話とは別の系統の情報だからです。以下は、その手前にある「どこに何が載っているか」の整理です。
2026年8月28日の磐田に、台風は来ていない
この記事を書いている2026年8月28日、静岡地方気象台が同日4時47分に発表した静岡県の府県気象概況を確認しました。そこに台風という語は出てきません。書かれているのは前線と湿った空気です。
同概況には「28日は、前線や湿った空気の影響で雨や曇りとなり、雷を伴った激しい雨や非常に激しい雨の降る所があるでしょう」とあります。翌29日についても「午後は雷を伴った激しい雨の降る所がある見込みです」と続きます。台風の接近がなくても、激しい雨が降りうる日だということです。
台風シーズンという言い方をすると、台風が来る日の話に聞こえます。ですが磐田で子どもを連れて公園を選ぶ側から見ると、身構えるべき日は台風の日だけではありません。前線が居座っている日の午後、短い時間に強く降る雨のほうが、予定を立てた後にやってきます。だから確認は、台風が来る前ではなく、来ていない日にやっておくものだと当サイトは考えています。
註:ここで引いたのは気象庁の府県気象概況(静岡県)で、2026年8月28日4時47分発表のものです。天気の見通しは短時間で変わります。出かける当日は最新の発表をご確認ください。
磐田市が公開している図面は8種類ある
磐田市ウェブサイトの「磐田市ハザードマップ」のページ(2026年1月21日更新・2026年8月28日確認)には、災害の種類ごとに図面が並んでいます。まず、良い点から数えます。種類が分かれていて、それぞれ何にもとづく図面なのかが書いてあることです。
| 図面の名称 | 扱う災害 | 磐田市のページでの記載 |
|---|---|---|
| 洪水ハザードマップ | 河川の氾濫 | 洪水浸水想定区域図をもとに市が作成 |
| 洪水浸水想定区域図 | 河川の氾濫 | 天竜川(下流)・太田川水系の想定最大規模の図 |
| 高潮浸水想定区域図 | 高潮 | 静岡県が令和7年10月31日に指定 |
| 津波浸水想定マップ | 津波 | 竜洋地区・福田地区の2地区分 |
| 土砂災害特別警戒区域マップ | 土砂災害 | 警戒区域・特別警戒区域を表示 |
| 震度分布マップ/液状化危険度マップ | 地震 | 震度分布図・液状化危険度図 |
| ため池ハザードマップ | ため池の決壊 | 市内6つのため池ごとの図と、ため池マップ |
洪水の図面の根拠について、市のページには「国と県では水防法の規定に基づき、洪水予報河川、水位周知河川及びそれ以外の中小河川について、洪水浸水想定区域図を公表しており、この情報を基に磐田市では洪水ハザードマップを作成しています」とあります。市が独自に線を引いたものではなく、国と県の図が土台になっている、という説明です。
高潮の図面は、市のページによれば「日本に上陸した既往最大台風である室戸台風級の台風」を想定し、「堤防等は設計条件に達した段階で決壊する」といった条件で計算した結果とされています。ふだんの雨で起きることの図ではありません。ここを取り違えると、図の色を過大にも過小にも読んでしまいます。
もうひとつ、市のページには「令和8年1月より、『磐田市地図情報提供サービス』にて、洪水、土砂災害、高潮の情報提供を開始します」と書かれています。PDFを開いて自分の家を探す作業から、地図の上で住所を引く形へ移りつつある、ということです。
その上で、一利用者として注文を2つ書いておきます。ひとつは、洪水ハザードマップがいつの版なのかが、この一覧のページからは分からないことです。高潮は「令和7年10月31日に指定」と年月日まで書かれているのに、洪水の側には日付の記載がありません。もうひとつは、当サイトが2026年8月28日に上記3ページを確認した範囲で、下水道や水路があふれる内水氾濫の図面が見当たらなかったことです。別の場所にある可能性は残るので、無いとは断定しません。街区公園のような小さい公園で水がたまるのは、大きな川があふれるときだけとは限らないので、あれば見たい図面です。
100園を浸水で数えたら、0園だった
ここからは当サイトの側の話です。当サイトの公園データベースには、公園ごとに災害の危険性を書く欄が用意してあります。洪水、津波、土砂災害、そして避難場所かどうかの4つです。2026年8月28日にこの4つを数え直しました。結果は次のとおりです。
| 当サイトの欄 | 値が入っている園 | 100園に対して |
|---|---|---|
| 洪水の想定 | 0園 | 0% |
| 津波の想定 | 0園 | 0% |
| 土砂災害の想定 | 0園 | 0% |
| 避難場所かどうか | 0園 | 0% |
| (参考)水辺が近いという記録 | 5園 | 5% |
| (参考)日陰の記録 | 44園 | 44% |
同じデータベースで、日陰は44園、東屋は14園、トイレは70園、駐車場は28園まで記録が進んでいます。現地の記録がある園は100園中63園です。設備の欄は埋まってきているのに、災害の欄だけが4つとも全園空白でした。これは当サイトの弱点なので、注文ではなく反省として先に書いておきます。
なぜ空いているのか。設備は現地で見れば記録できますが、浸水の想定は現地では見えないからです。図面の色を読み取って公園ごとに書き写す作業が要ります。その作業には、転記の誤差がつきまといます。
正直に書くと、この欄を埋めるべきかどうか、私はまだ決めかねています。埋めれば公園ページだけで浸水の目安が分かるようになります。一方で、当サイトが図面から読み取った色を「浸水深◯m」と書いた瞬間、それが市の公表値であるかのように受け取られます。図面が更新されたときに追随できなければ、古い数字を配り続けることになります。今は、欄を空けたまま市の図面へ案内するほうを選んでいます。
住所に「河川敷」と書かれた公園が、磐田には2つある
0園という数字だけだと、話がそこで止まります。当サイトのデータで代わりに手がかりになるのは、住所と公園の名前です。磐田市の公園100園の住所と名称を river の語で拾い直すと、川に関係する園が4つ出てきました。
| 公園名 | 住所(当サイトのデータ) | 面積 | 地区 |
|---|---|---|---|
| 天竜川ラブリバー公園 | 河川敷地内(壱貫地・地先) | 記録なし | 豊田 |
| はまぼう公園 | 太田川右岸河川敷 | 記録なし | 福田 |
| 竜洋西堀河川敷公園 | 磐田市豊岡978-1地先 | 34,489.8㎡ | 竜洋 |
| 豊田天竜川わんぱく広場 | 磐田市森本地先 | 14,914.47㎡ | 豊田 |
このうち天竜川ラブリバー公園とはまぼう公園は、住所そのものが「河川敷」です。町名も番地もありません。面積の記録もないのは、この2園が磐田市オープンデータ「都市公園一覧」の94行に含まれていないためです。都市公園として登録された園ではない、ということでもあります。
住所が河川敷である公園は、平常時は広くて気持ちのいい場所です。同時に、川が増水したときに水が乗る側の土地でもあります。市の洪水浸水想定区域図が天竜川(下流)と太田川水系を対象にしていることと、この2園の住所は、そのまま重なります。
別の切り口も出しておきます。市の津波浸水想定マップは竜洋地区・福田地区の2地区分が公開されています。この2地区に当サイトの公園はいくつあるかというと、竜洋13園・福田4園の合わせて17園、100園の17%です。うち現地の記録があるのは7園にとどまります。津波の図面が用意されている地区ほど、当サイトの記録が薄いという状態です。
なお、水辺が近いという記録が入っているのは5園(アミューズ豊田ポケットパーク、豊田池田の渡し公園、豊田香りの公園、豊田ラブリバー公園、竜洋海洋公園)です。これは川や池のそばで子どもから目を離せない、という意味の欄で、浸水想定とは別物です。混同しないよう分けて扱っています。
台風の前に、今日できる確認は3つ
ここからは当サイトの編集を担当している大石浩之(磐田市/不動産業)の判断です。体験談ではなく、土地と家を扱う仕事をしている者としての考えとして書きます。ハザードマップは、災害が近づいてから開くものではありません。雨が強くなってからPDFを落として自分の家を探すのは、いちばん手間のかかる順番です。
理屈として正しいかどうかより、その日に動けるかどうかで考えます。小さい子を連れて出る親にとって、確認の作業は10分が限界です。10分でできることに絞ります。
1. よく行く公園の住所を3つ、図面で引いておく
毎週行く公園はだいたい3つ以内に落ち着きます。その3つの住所を、磐田市のハザードマップのページで一度だけ引いておく。晴れている日に済ませておけば、次からは思い出すだけになります。当サイトの公園ページには住所を載せてあるので、そこから写して使ってください。
2. 「行かない日」を先に決めておく
河川敷の公園に行く日は、前日と当日の雨を見る。これだけ決めておけば、当日の判断が要りません。当サイトのデータでは河川敷に関係する園が4つありました。その4つは、雨が続いた週は候補から外す、という運用にしておくほうが早いと私は思います。
3. 避難する場所と、雨宿りする場所を分けて考える
磐田市のウェブサイトには「『指定緊急避難場所』とは、切迫した災害の危険から命を守るために避難する施設です」とあります。公園の東屋は雨宿りの屋根であって、これとは別のものです。当サイトのデータで屋根のある東屋を確認できているのは14園ですが、そこが避難場所かどうかは0園分しか分かりません。避難の場所は市の一覧で、雨宿りの屋根は公園のページで、と分けて見てください。その市の一覧を地区別に数え直した記録は、2026年8月30日の記事「磐田市の公園と避難場所、指定避難所43施設に公園は0か所」に書きました。指定避難所43施設のうち、名前に「公園」が付く施設は0か所です。
この3つで足りるのか、と言われれば足りません。ただ、行くか行かないかを今日決める必要もありません。台風が近づいてから慌てて調べるより、住所を3つ引いた状態で次の週末を迎えるほうが、判断の材料としてはよほど効きます。決めるのは、材料がそろってからで構いません。
よくある質問
磐田市の公園の浸水は、ハザードマップのどこを見ればいいですか。
磐田市ウェブサイトの「磐田市ハザードマップ」のページにある洪水ハザードマップ、または洪水浸水想定区域図です。2026年8月28日時点で天竜川(下流)と太田川水系の図が公開されています。公園名では引けないので、行き先の住所で探してください。市のページによれば、令和8年1月からは「磐田市地図情報提供サービス」でも洪水の情報が提供されます。
ATAWI PARK の公園ページに浸水の情報は載っていますか。
2026年8月28日時点では載っていません。当サイトの公園データベース100園のうち、洪水・津波・土砂災害・避難場所の4つの欄はすべて空白です。設備の記録が63園まで進んでいるのに対し、災害の欄は0園です。現時点では市の図面をご確認ください。埋めるかどうかは検討中で、方針が決まれば更新のお知らせに書きます。
河川敷にある公園は、雨の日は行かないほうがいいですか。
当サイトが行く・行かないを判断することはできません。当サイトのデータでは、住所が河川敷にあたる公園が2園、名称に川の名がつく公園が2園あります。川の水位は上流の雨でも上がるとされるため、その場の空模様だけでは判断できません。増水や通行止めの状況は磐田市や河川の管理者の発表をご確認ください。
註:この記事に書いた図面の名称・公表の状況・気象の見通しは、いずれも2026年8月28日に確認したものです。図面は更新され、制度の呼び方も変わります。避難や当日の行動に関する判断は、必ず磐田市および気象庁の最新の発表にしたがってください。当サイトの数字は公園を選ぶ材料であって、安全を保証するものではありません。
出典・参考
- 磐田市「磐田市ハザードマップ」(洪水・高潮・津波・土砂災害・震度分布・液状化・ため池の各図面。2026年1月21日更新/2026年8月28日確認)
- 磐田市「大雨への備え」(指定緊急避難場所の説明・警戒レベル4「避難指示」。2026年8月28日確認)
- 磐田市「災害リスクを知る」(わが家の対策・2026年1月21日更新/2026年8月28日確認)
- 気象庁 静岡地方気象台「府県気象概況(静岡県)」2026年8月28日4時47分発表(同日確認)
- 磐田市「都市公園一覧」(磐田市オープンデータ・CC BY 3.0・出典:磐田市)
- ATAWI PARK 公園データベース(data/parks.json・100園。上記をもとに当社が編集。災害の4欄は2026年8月28日時点で全園空白)
本記事は磐田市の公開情報と当サイトの公園データベースにもとづく編集ノートです。個々の公園の設備・状態は現地および磐田市(都市整備課 0538-37-4806)でご確認ください。