避難場所としての公園:指定緊急避難場所・家族の集合場所・ふだんの公園が防災拠点になる
公園は遊ぶ場所であると同時に、まちの中に確保された「建物のない広い場所」です。地震や火災のときに人が集まれる、延焼を止める、救援の車が入れる、といった役割を都市公園は最初から期待されています。0〜7歳の子を連れて毎日のように通う公園が、いざというときにどんな位置づけになっているかを知っておくと、家族の行動が決めやすくなります。
結論から言うと、まず「指定緊急避難場所」と「指定避難所」は別のものだと押さえ、次に磐田市のハザードマップと防災ページで、家の近くの公園がどの災害のときの避難場所に指定されているかを確かめ、最後に家族で集合場所を一つ決めておく、の三段階です。公園はふだんから子どもが場所を覚えている分、集合場所の候補として向いています。
この記事では、災害種別ごとの避難場所の考え方、確認の手順、乳幼児連れで公園に避難するときの現実的な備え、そして当サイトが整備を進めている「避難場所になっている公園」のさくいんの考え方をまとめます。どの園がどの災害の避難場所に指定されているかは、必ず市の資料で確認してください。当サイトの踏査はまだ始まっていません。
公園が防災の場所になる理由:広さ・延焼防止・集まれる場所
都市公園は、遊びや休息のためだけでなく、災害時のオープンスペースとして計画されています。国土交通省の都市公園の考え方でも、公園は避難地・避難路の確保、火災の延焼を防ぐ緩衝帯、救援活動の拠点といった防災機能を持つ空間として位置づけられています。建物が密集した住宅地の中で、屋根も壁もない広い場所は公園と学校の校庭くらいしかありません。だからこそ、公園は「逃げてきた人が最初に集まる場所」になりやすいのです。
磐田市の公園は当サイトの収録で100園あり、都市公園法の種別でいうと街区公園が51園といちばん多く、近隣公園14園、地区公園4園、総合公園3園、運動公園3園などが続きます。街区公園は国の目安で0.25ヘクタール・誘致距離250メートルの小さな園で、住宅地の中に点在しています。近隣公園以上は広く、総合公園では10ヘクタールを超える園があります。防災の観点では、この「近くにある小さな園」と「少し離れた広い園」の両方に意味があります。
ただし、「公園だから避難場所」と決めつけるのは早計です。公園が正式に避難場所として機能するかどうかは、市が災害の種類ごとに指定しているかで決まります。広い園でも指定されていないことがあり、逆に小さな園でも一時的な集合場所として地域で決められていることがあります。まずは「指定」という言葉の意味を整理するところから始めます。
「指定緊急避難場所」と「指定避難所」は別のもの
災害対策基本法では、市町村が指定する場所として指定緊急避難場所と指定避難所の二つがあります。指定緊急避難場所は、災害の危険から命を守るためにとりあえず逃げ込む場所で、災害の種類(洪水・崖崩れや土石流・高潮・地震・津波・大規模な火事など)ごとに指定されます。公園や広場、学校の校庭などが指定されることが多い場所です。指定避難所は、家に戻れない人が一定期間滞在する施設で、学校の体育館や公民館などの建物が中心です。
乳幼児連れの親にとって大切なのは、この二つを混同しないことです。公園に逃げても、そこで寝泊まりできるわけではありません。地震の直後、揺れが収まるまで、あるいは火災から離れるまでの「とりあえずの場所」が公園で、その後に落ち着いて過ごす場所が避難所、と役割が分かれます。子どもと一緒に夜を越すことになる可能性があるなら、公園の次にどこへ行くかまで、家族で話しておく必要があります。
| 区分 | 目的 | 主な場所 | 乳幼児連れの視点 |
|---|---|---|---|
| 指定緊急避難場所 | 災害の危険からとりあえず逃げる | 公園・広場・校庭など | 屋根がない。短時間の滞在を前提に考える |
| 指定避難所 | 家に戻れない間、滞在する | 学校の体育館・公民館など | 授乳・おむつ替え・寝る場所を確保する |
| 地域や家族の集合場所 | 家族や近所の人と落ち合う | 決めた公園・目印 | 子どもが場所を言えるかがカギ |
もう一つ押さえておきたいのは、指定緊急避難場所は災害の種類ごとに違うという点です。地震のときの避難場所として指定されている公園が、洪水や津波のときにも安全とは限りません。低い土地にある公園は、地震では集まれても、津波や川の氾濫のときには逆に離れるべき場所になることがあります。「うちの近くの公園は、どの災害のときの避難場所か」を災害別に知っておくことが、公園を防災に生かす第一歩です。
確認方法:磐田市のハザードマップ・防災ページ・現地の看板
磐田市では、洪水・津波・土砂災害などの区域と避難に関する情報を、市公式サイトのハザードマップのページと「災害リスクを知る」のページで公開しています。「大雨への備え」のページには、大雨のときの行動の考え方もまとめられています。まずこれらのページとハザードマップの図で、自宅と、ふだん行く公園がどの区域に入るかを見て、あわせて市の防災のページでどの場所が指定緊急避難場所・指定避難所になっているかを確かめます。市の資料は更新されることがあるので、年に一度は見直すと安心です。
次に、現地の看板を見ます。指定緊急避難場所には、災害の種類をピクトグラムで示した案内板が立てられていることが一般的で、公園の入口や園内の目立つ場所にあります。ふだん公園に行ったときに、子どもと一緒に「この看板は何かな」と眺めておくと、子どもの記憶にも残ります。看板の表示は市の資料と合わせて読み、どちらか一方だけで判断しないようにします。
当サイトの園ページでは、市の資料に基づいて避難場所に関する情報を表示していく予定ですが、2026年8月16日時点で踏査は始まっておらず、看板の有無や表示内容の記録もこれからです。したがって、当サイトの表示は「市の資料を確かめるきっかけ」として使い、最終的な確認は市の公式ページで行ってください。分からないことがあれば、市の防災担当の窓口に問い合わせるのが確実です。
家族で集合場所を決める:ふだんの公園が候補になる理由
災害時に家族がばらばらの場所にいることは珍しくありません。親が職場、子どもが保育園や小学校、祖父母が家、という組み合わせも多いでしょう。そのときのために「連絡が取れなかったらここで会う」という集合場所を一つ決めておくと、迷いが減ります。候補として向いているのは、家族全員が名前と行き方を知っていて、屋外で広く、建物の倒壊や火災の影響を受けにくい場所です。ふだんの公園は、この条件に合いやすい場所です。
決め方の手順は簡単です。第一に、市のハザードマップで自宅周辺の区域を見て、洪水や津波の想定区域に入っていない公園を選びます。第二に、その公園が地震のときの指定緊急避難場所になっているかを確かめます。指定されていなくても集合場所にはできますが、指定されていれば他の人も集まりやすく、情報が入りやすくなります。第三に、家族全員で実際に歩いてみて、道順と所要時間を共有します。夜や雨の日にも歩けるかを、想像でなく実際に確かめておくと安心です。
年齢別:子どもへの伝え方
2歳前後までは、集合場所を覚えることはできません。この年齢では「保護者と離れない」ことがすべてで、集合場所は大人同士の約束です。3〜5歳になると、公園の名前を言えるようになり、「地震のときはママやパパと〇〇公園で会う」と繰り返し伝えれば覚えます。保育園や幼稚園にいるときは先生の指示に従うことも一緒に伝えます。6〜7歳になると、自宅から集合場所まで自分で歩ける子も出てきますが、災害時に子どもだけで移動させるかどうかは慎重に考え、原則は「大人と一緒に」「学校にいるなら学校で待つ」を約束にします。
乳幼児連れで公園に避難するときの現実:夜・雨・寒さ・トイレ
公園への避難は、ふだんの公園遊びとはまったく違います。まず屋根がないので、雨や寒さ、夏の直射日光をしのげません。夜であれば照明が限られ、足元も見えにくくなります。乳幼児連れでは、この環境で長く過ごすこと自体が体調に響きます。指定緊急避難場所としての公園は「とりあえず逃げる場所」であって、そこに長くとどまるのではなく、安全が確認できたら避難所や親戚宅などの屋根のある場所へ移る、と考えておきます。
次にトイレです。磐田市のオープンデータでは94行のうちトイレ有が69園ですが、災害時に園内のトイレが使えるとは限らず、断水や停電で使用できないこともあります。おむつの子は替える場所と替えたおむつの持ち帰り袋、トイレトレーニング中の子は携帯トイレの用意があると気持ちが楽です。授乳が必要な子は、人目を避けられる授乳ケープやストールが役に立ちます。ミルクの子は水と哺乳の手段をどう確保するかも、家族で決めておきたい点です。
- おむつ・おしりふき・持ち帰り袋(一日分より多めに)
- 携帯トイレ、ウェットティッシュ、手指の消毒
- 水と、子どもが食べ慣れたおやつや離乳食
- 上着や大判のタオル、雨具(レインコート型が両手が空いて便利)
- 小さなライトと笛(子どもの首にかけない。親のかばんにつける)
- 母子健康手帳のコピーや保険証の写し、連絡先を書いた紙
- 抱っこひも(ベビーカーはがれきや段差で進めないことがある)
これらは「非常持ち出し袋」として一式そろえるより、ふだんの公園バッグの中身を少しだけ多めにしておく発想のほうが続きます。おむつと水と上着とライトが常に入っていれば、公園にいるときに揺れても、そのまま動けます。子どもが歩ける年齢でも、避難のときは抱っこひもがあると両手が空き、人混みではぐれにくくなります。
公園にいるときに災害が起きたら:園の指定と区域で行動が変わる
公園で遊んでいる最中に地震が起きた場合、その場は建物の倒壊の心配が少ないぶん、まず遊具・樹木・電柱・ブロック塀から離れて、開けた場所で子どもを抱えて揺れが収まるのを待ちます。ここまではどの公園でも同じです。その後の行動は、その公園がどの災害の避難場所に指定されているか、どの区域にあるかで分かれます。地震の指定緊急避難場所であれば、しばらくその場で情報を待つ選択肢があります。
一方、津波の想定区域や川の近くの低い土地にある公園であれば、揺れが収まったらすぐに高い場所へ移動する判断になります。この判断を揺れの直後に初めて考えるのは難しいので、ふだん通う公園ごとに「ここで地震が来たら、とどまるのか、どちらへ動くのか」を一度考えておきます。行き先は、市のハザードマップで示された高い場所や、指定された避難場所です。
大雨や雷のときは、公園そのものが危険になります。川沿いの公園は上流の雨で増水することがあり、開けた場所は雷の際に身を隠す場所がありません。この場合は「公園に避難する」のではなく「公園から離れる」が正解で、気象情報と市の避難情報を見ながら、早めに屋内へ移ります。公園が避難場所になるのは主に地震や火災のときで、風水害では別の考え方になる、と分けて覚えておくと混乱しません。
種別と広さで見る「避難に向く園」の考え方
どの公園が避難場所に指定されているかは市の資料でしか分かりませんが、公園の種別と広さを知っておくと、指定の意味が理解しやすくなります。磐田市の総合公園は竜洋海洋公園(221,722平方メートル)、かぶと塚公園(106,982平方メートル)、福田公園(49,620平方メートル)の3園、地区公園は兎山公園、中央公園、竜洋西堀河川敷公園、安久路公園の4園です。これらは広く、多くの人が集まる余地があります。ただし、広いことと避難場所に指定されていることは別で、立地によっては特定の災害では使えない場合もあります。
| 種別 | 磐田市の園数 | 国の目安 | 避難の観点 |
|---|---|---|---|
| 街区公園 | 51園 | 0.25ha・誘致距離250m | 家から近い。一時的に集まる場所として |
| 近隣公園 | 14園 | 2ha・誘致距離500m | 地域の人が集まれる広さ |
| 地区公園 | 4園 | 4ha・誘致距離1km | 広い。指定の有無を市の資料で確認 |
| 総合公園 | 3園 | 10〜50ha | 非常に広い。立地と災害種別で使えるかが変わる |
乳幼児連れの現実としては、いちばん近い街区公園が「まず逃げる場所」、少し離れた近隣公園や地区公園が「家族と落ち合う場所」、そして避難所が「滞在する場所」という三段階で考えると、距離と役割が整理されます。小さな子を抱えて1キロ以上歩くのは、災害時には想像以上に大変です。集合場所は、家からも保育園や小学校からも無理なく歩ける範囲で選ぶのが現実的です。
当サイトの「避難場所になっている公園」さくいんの考え方
当サイトでは、条件別のさくいんの一つとして「避難場所になっている公園」を整備しています。これは、市が公表している指定の情報に基づいて、当サイトの収録園のうち避難場所として指定されている園を一覧にするものです。指定は災害の種類ごとに違うため、さくいんでも「どの災害の避難場所か」を分けて示すことを目標にしています。指定の一次情報はあくまで市の資料で、当サイトはそれを公園ごとに引きやすくする役割です。
踏査が始まったら、園ごとに案内看板の有無と表示内容、夜間の照明の状況、園内のトイレや水道の位置、ベビーカーで入れる入口の位置なども記録していきます。これらは避難場所としての公園を、乳幼児連れの目で見た情報です。ただし、2026年8月16日時点では踏査済の園は0園で、これらの項目はすべて現地調査待ちです。さくいんの内容も市の資料の更新に合わせて見直します。
使い方としては、家の近くの園がさくいんに載っているかを見て、載っていれば市の資料で災害種別を確かめ、載っていなくても市の資料で見直す、という順です。さくいんに載っていないから避難場所ではない、と結論づけないでください。当サイトの突合が追いついていない可能性があります。気づいたことがあれば知らせていただけると、次に読む家族の役に立ちます。
ふだんの公園遊びの中でできる備え
防災のために特別な時間を取るのは、子育て中には難しいものです。そこで、ふだんの公園遊びの中に少しずつ備えを混ぜる方法をおすすめします。たとえば、公園に着いたら入口の看板を親が一度見る、帰り道に「もし今地震が来たらどこに行く?」と子どもに一言聞く、季節が変わったら公園バッグの上着や水の量を見直す、といった小さな習慣です。年に一度は市のハザードマップを開いて、通う公園が変わっていれば区域を確かめ直します。
- 公園に着いたら入口の案内板を見る習慣をつける
- 帰り道に集合場所と道順を子どもと確認する(3歳以上)
- 公園バッグにおむつ・水・上着・ライトを常に入れておく
- 季節の変わり目に中身を見直す(夏は水を多めに、冬は防寒を)
- 年に一度、市のハザードマップと避難場所の情報を見直す
- 地域の防災訓練があれば、公園が会場のときは子どもと参加してみる
公園は、子どもが「知っている場所」「安心な場所」として体で覚えている数少ない屋外の空間です。その安心感は、災害時に家族が落ち合うときにも生きます。ふだんの遊びを通して公園を好きになっておくことが、実はいちばん続けやすい備えかもしれません。当サイトも、遊びの情報と防災の情報を同じ園ページで見られるように整えていきます。
よくある質問
近所の公園が避難場所かどうかは、どこで分かりますか?
磐田市公式サイトのハザードマップのページと「災害リスクを知る」のページで災害の想定区域を、市の防災のページで指定緊急避難場所と指定避難所を確認してください。現地の案内板も手がかりになります。当サイトのさくいんは市の資料をもとに整備中で、最終的な確認は市の公式ページで行ってください。
指定緊急避難場所の公園に行けば、そこで夜を過ごせますか?
公園は命を守るためにとりあえず逃げる場所で、屋根がなく、滞在する施設ではありません。安全が確認できたら、指定避難所(学校の体育館など)や親戚宅など屋根のある場所へ移る前提で考えてください。乳幼児連れでは特に、公園にとどまる時間を短くする計画が大切です。
家族の集合場所は、避難場所に指定されていない公園でもいいですか?
家族が落ち合う目的なら、指定の有無にかかわらず決めてかまいません。ただし洪水や津波の想定区域に入っていないこと、家族全員が道順を知っていることが条件です。指定されている公園なら他の人も集まりやすく情報も入りやすいので、条件が合えば指定された園を選ぶと安心です。
子どもが小さいうちは、集合場所を教えても意味がありませんか?
2歳前後までは覚えられないので、集合場所は大人同士の約束と考えてください。3〜5歳になると公園の名前を言えるようになり、繰り返し伝えれば覚えます。6〜7歳でも、災害時に子どもだけで移動させるのは慎重に。「大人と一緒に」「学校にいるなら学校で待つ」を基本の約束にしてください。
公園で遊んでいるときに大雨や雷になったら、公園に留まるべきですか?
いいえ。公園が避難場所として役立つのは主に地震や火災のときで、風水害では開けた公園はかえって危険です。雷は身を隠す場所がなく、川沿いの園は増水の可能性があります。早めに屋内へ移り、市の避難情報と気象情報に従ってください。
出典・参考
本記事は一般的な情報と磐田市の公開情報にもとづく読みものです。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。