磐田の公園を知る

ハザードマップと公園:洪水・津波・土砂の区域を親が知っておく意味

公開・更新 2026-08-16 文字数 約6,627字 読了目安 12分

ハザードマップは、洪水・津波・土砂災害などが起きたときに、どの場所がどのくらい危ないかを地図に色で示した資料です。磐田市も市公式サイトで公開しています。家の区域を見たことがある方は多いと思いますが、ふだん子どもと行く公園がどの区域にあるかまで見ている方は少ないのではないでしょうか。

結論から言うと、公園がどの区域にあるかは、日常の遊びにはほとんど関係ありません。区域に入っている公園で遊んではいけない、ということではないのです。変わるのは災害が起きたとき、あるいは起きそうなときの行動です。同じ地震でも、津波の区域にある公園ならすぐ高い場所へ動く、そうでない園なら開けた場所で待つ、と判断が分かれます。この差を、揺れてから初めて考えるのは難しいので、先に知っておくのです。

この記事では、磐田市のハザードマップの種類と読み方、洪水・津波・土砂それぞれの区域にある公園での考え方、家を選ぶときに同じ地図を見る視点、そして当サイトが全園に区域の情報を表示していく予定をまとめます。区域の確認は必ず市の公式資料で行ってください。当サイトの踏査はまだ始まっていません。

ハザードマップとは何か:磐田市が公開している図の種類

ハザードマップは、災害の種類ごとに想定される危険の範囲と程度を地図に重ねたものです。磐田市は市公式サイトの「大雨への備え」の中でハザードマップを公開し、「災害リスクを知る」のページで災害の種類ごとのリスクをまとめています。洪水では川があふれたときの浸水の深さ、津波では海から押し寄せる水の到達範囲と深さ、土砂災害では崖崩れや土石流の危険がある区域が示されます。

見方の基本は三つです。第一に、災害の種類ごとに図が違うこと。洪水の図で色がついていない場所が、津波の図では色がつくことがあります。第二に、色の濃さや凡例で浸水の深さが読み取れること。膝までなのか、大人の背丈を超えるのかで、逃げ方が変わります。第三に、図には避難場所や避難所も載っていることが多く、区域と避難先を一枚で見られることです。

洪水津波土砂地図
図1図は災害の種類ごとに分かれる。洪水・津波・土砂の三枚を、家と公園について順に見る。

ハザードマップは想定に基づく図で、想定を超える災害が起きないとは言い切れませんし、区域の外なら何も起きないというものでもありません。それでも、色のついた場所とそうでない場所で「まず何をするか」の優先順位が変わるので、親が一度目を通しておく価値は大きいと言えます。市の資料は改定されることがあるので、数年に一度は見直します。

磐田の三つの図:洪水・津波・土砂を分けて考える

磐田市のハザードマップには、天竜川をはじめとする河川の洪水の図に加えて、津波の図と土砂災害の図があります。市内の公園には「豊田天竜川わんぱく広場」「天竜川ラブリバー公園」「竜洋西堀河川敷公園」のように、名前に川や河川敷を含む園があります。名前は手がかりですが、区域の判断は必ず市のハザードマップの図で行います。名前に川がつかない園でも、低い土地にあれば浸水の想定区域に入ることがあります。

災害の種類何が起きるか公園での見方行動が変わる場面
洪水(外水・内水)川があふれる、排水が追いつかず水がたまる浸水の深さと、川からの距離大雨の予報・警報が出たとき
津波地震の後、海や河口から水が押し寄せる到達範囲と深さ、近くの高い場所強い揺れや長い揺れを感じたとき
土砂災害崖崩れ・土石流・地滑り園が斜面や崖に接しているか大雨の最中と、その後しばらく

三つの災害は、起きるきっかけが違うことがポイントです。洪水と土砂災害は大雨がきっかけで、予報や警報である程度事前に分かります。津波は地震がきっかけで、揺れた直後に判断しなければなりません。したがって、洪水・土砂の区域にある公園は「その日行くかどうか」を天気で決め、津波の区域にある公園は「揺れたらどこへ動くか」を先に決めておく、という備え方の違いになります。

内水氾濫という言葉も覚えておくと役立ちます。川があふれなくても、短時間の強い雨で排水が追いつかず、低い土地に水がたまることを指します。公園は周りより少し低くつくられていることがあり、雨のあとに水たまりが長く残る園は、その傾向があるかもしれません。当サイトでは、雨上がりの水はけも踏査で記録していく項目にしています。

公園がどの区域にあるかを知る意味:遊びは変わらず、行動が変わる

ここで誤解のないように整理しておきます。ハザードマップで色のついた区域にある公園でも、晴れた日に遊ぶ分にはふだんどおりで問題ありません。区域は「災害が起きたときにどうなるか」を示すものであって、「行ってはいけない場所」を示すものではないからです。区域を知る意味は、遊びを制限することではなく、いざというときの行動を先に決めておけることにあります。

具体的には、次の三つの場面で行動が変わります。一つ目は、公園にいるときに強い揺れを感じた場合。津波の区域なら、揺れが収まり次第、高い場所へ移動します。二つ目は、大雨の予報や警報が出ている日。洪水や土砂の区域にある公園には行かない、あるいは早めに引き上げます。三つ目は、家族の集合場所や避難先を決めるとき。区域に入っている公園は集合場所の候補から外し、区域外の園や指定された避難場所を選びます。

ふだん遊んでよい災害時行動が変わる
図2区域は「行ってはいけない場所」ではない。晴れた日の遊びは変わらず、災害時の行動だけが変わる。

子どもに伝えるときも、「この公園は危ない」ではなく「ここで大きく揺れたら、あっちの高いほうに行くよ」と行動で伝えるほうが、怖がらせずに済みます。4〜5歳になれば、行き先の目印(あの建物、あの坂の上)を一緒に覚えられます。ふだんの遊びの帰り道に、目印まで歩いてみるのも一つの方法です。

洪水の区域にある公園:大雨の前に離れる

洪水の想定区域にある公園で気をつけたいのは、雨が降り出してからではなく、降る前に判断することです。川沿いの公園は、その場所で雨が降っていなくても、上流の雨で水位が上がることがあります。大雨の予報が出ている日、警報や注意報が出ている日は、川沿いや低い土地の公園を行き先から外します。もし公園にいて雨脚が強まってきたら、遊具の続きより先に引き上げます。

河川敷にある公園は、堤防より川側の土地にあるため、増水すると園全体が水に浸かる可能性があります。ベビーカーで堤防の坂を上り下りする園では、慌てて動くと危ないので、天気が崩れそうな日はそもそも行かない判断が安全です。当サイトの収録園では、名前に「河川敷」を含む竜洋西堀河川敷公園(地区公園・34,490平方メートル)などがあり、実際に堤防のどちら側にあるか、避難のときの出口はどこかは現地調査待ちの項目です。

  • 前日の夜と当日の朝に天気予報と市の情報を見る。大雨の予報なら川沿いの園は避ける
  • 公園にいるときに雨が強まったら、遊びを切り上げて屋内へ移る
  • 川の水の色が濁る、水位が上がる、上流の空が暗いなどの変化に気づいたら離れる
  • 堤防を越えて園に入る型の公園では、車やベビーカーの出口を着いたときに確かめる
  • 洪水の区域にある公園は、家族の集合場所には選ばない

内水の区域については、川から離れていても油断できません。短時間の激しい雨で道路が冠水すると、帰り道の側溝や用水路の縁が見えなくなり、小さな子には特に危険です。雨が上がっても、水が引くまでは無理に歩かず、様子を見てから帰る判断も必要です。

津波の区域にある公園:揺れたらすぐ高い場所へ

津波の想定区域にある公園では、備え方が洪水と大きく違います。きっかけが地震で、予報を見て行くかどうかを決めることができないからです。強い揺れや、弱くても長く続く揺れを感じたら、揺れが収まり次第、警報を待たずに高い場所へ移動するのが基本とされています。子どもを連れて動くには時間がかかるので、行き先と道順を先に決めておくことが何より大切です。

海に近いと感じる園や、名前に「海洋」を含む竜洋海洋公園(総合公園・221,722平方メートル)のような園に行くときは、市のハザードマップの津波の図でその園が区域に入っているか、近くの高い場所や避難先がどこかを、一度確かめておきます。区域に入っていない園でも、海や河口に近ければ同じ準備をしておいて損はありません。

揺れ手をつなぐ高い場所へすぐに
図3津波の区域では、揺れが収まったら警報を待たずに動く。抱っこひもと道順の準備が時間を生む。

乳幼児連れで移動を速くする工夫としては、抱っこひもを公園バッグに入れておく、ベビーカーは置いていく判断もあると決めておく、上の子とは「手をつないで走らずに歩く」を約束しておく、といったことがあります。移動先で長く待つ可能性があるので、水と上着があると心強いです。避難のあと、家族と落ち合う場所も、津波の区域の外に決めておきます。

土砂災害の区域にある公園:斜面と崖、大雨の後

土砂災害の警戒区域は、崖や急な斜面に接する場所に指定されます。公園でも、斜面を生かした園や、裏山に接する園は区域に入ることがあります。ここでの注意は、大雨の最中と、その後しばらくです。雨がやんでも地面には水が残っていて、崖崩れは雨が上がってから起きることもあります。大雨の翌日に「晴れたから」と斜面に接する園に行くのは、少し待ったほうがよい場面です。

磐田市の公園には風致公園が3園、園内に築山のある園(竜洋川袋公園、福田ふるさと公園)もありますが、築山と土砂災害の区域はまったく別の話です。築山は遊びのためにつくられた小さな丘で、崖崩れの心配とは関係ありません。区域に入っているかどうかは、園の地形の印象ではなく、市のハザードマップの土砂災害の図で確かめます。

斜面のある園で日常的に気をつけたいのは、災害よりむしろ、雨上がりに斜面が滑りやすくなること、落ち葉の下の地面がぬれていること、斜面の上から石や枝が落ちてくることです。これは区域の内外に関係なく、坂のある園すべてに当てはまります。土砂災害の区域はそれに加えて「大雨のときと後は近づかない」を足す、と覚えておくと十分です。

住まいを選ぶときの視点:家・保育園・公園を同じ地図で見る

家を借りたり買ったりするとき、契約の前に受ける重要事項説明では、2020年から水害ハザードマップにおけるその住宅の位置を説明することが義務づけられています。宅地建物取引士は、市が公表する図を示して、その住まいがどの区域にあるかを説明します。これは住まいの話ですが、子育て世帯なら家だけでなく、保育園や幼稚園、小学校、そしてふだん行く公園まで同じ地図で見ることをおすすめします。

理由は単純で、子どもが一日の多くの時間を過ごすのは家の中だけではないからです。家が区域外でも、毎日通う園や公園が区域内なら、そこにいるときの行動を決めておく必要があります。逆に家が区域内でも、近くに区域外の公園があれば、そこが集合場所や一時的な避難の候補になります。家・園・公園・避難場所を一枚の地図に重ねて見ると、家族の動きが具体的に描けます。

保育園公園重ねて見る
図4家だけでなく、保育園・小学校・公園を同じハザードマップに重ねて見る。家族の動線が描ける。

住まいを選ぶ段階なら、候補の場所から歩いて行ける公園がどこか、その公園が区域に入っているかも、一つの材料になります。ただし、区域の内外だけで住まいや公園の良し悪しが決まるわけではありません。区域を知ったうえで、どう備えるかを決められることが大切で、当サイトはそのための材料を公園の側から提供したいと考えています。

当サイトの表示予定:全園に区域の情報を載せていく

当サイトでは、収録している100園それぞれの園ページに、市のハザードマップに基づく洪水・津波・土砂の区域の情報を表示していく予定です。あわせて、避難場所として指定されている園については、その情報も同じページで見られるようにします。目的は、「遊びに行く公園を選ぶ画面」と「災害時の情報を確かめる画面」を分けずに済むようにすることです。

ただし、いくつか前提があります。当サイトの表示は市の公表資料をもとにした整理であって、一次情報は市の資料です。市の図が改定されれば、当サイトの表示も見直しますが、時間差が生じることがあります。また、2026年8月16日時点で当サイトの踏査は始まっておらず、園内の高低差、堤防のどちら側か、避難のときの出口の位置、近くの高い場所までの道といった現地でしか分からない項目は、すべて現地調査待ちです。

市の資料園ページに表示整備中確認は市で
図5当サイトの表示は市の資料の整理。区域の最終確認は市の公式資料で行い、更新の時間差に注意する。

使い方としては、当サイトの園ページで区域の目安を見て「この園は津波の図を確かめよう」「この園は大雨の日は避けよう」と気づき、市の資料で確認する、という流れを想定しています。当サイトが市の資料の代わりになるのではなく、市の資料を開くきっかけになれば、という位置づけです。

親のための行動メモ:場面別・年齢別に整理する

最後に、ここまでの内容を親の行動として場面別にまとめます。大切なのは、予報で決められる災害(洪水・土砂)と、揺れてから決める災害(津波)を分けることです。前者は「行く前」の判断、後者は「その場」の判断で、準備の仕方が違います。どちらも、区域を知っていれば判断は速くなります。

場面洪水・土砂の区域の園津波の区域の園
行く前大雨の予報・警報なら行かない高い場所と道順を確かめてから行く
公園にいるとき雨が強まったら切り上げて屋内へ揺れたら収まり次第、高い場所へ動く
家族の集合場所候補から外す候補から外す。区域外の園か避難場所に
子どもへの伝え方「雨の日はこの公園は休み」「揺れたらあっちの高いほうへ」

年齢別に言うと、0〜2歳は親がすべて判断し、抱っこひもで動ける準備をしておく時期です。3〜5歳は「揺れたらママやパパのそばに来る」「手をつないで歩く」を繰り返し伝え、行き先の目印を一緒に覚えます。6〜7歳になると、公園から自分で高い場所へ向かう道順を覚えられる子もいますが、原則は大人と一緒です。友だちだけで公園に行くようになったら、その公園の区域と行き先を、あらためて一緒に確かめておきましょう。ハザードマップは怖がらせるための地図ではなく、家族が落ち着いて動くための地図です。

よくある質問

ハザードマップで色のついた区域にある公園では、遊ばないほうがいいですか?

晴れた日にふだんどおり遊ぶ分には問題ありません。区域は災害時にどうなるかを示すもので、行ってはいけない場所を示すものではありません。変わるのは、大雨の日に行くかどうかや、揺れたときにどこへ動くかといった災害時の行動です。先に決めておけば、遊び自体は制限しなくて済みます。

公園がどの区域にあるかは、どこで確認できますか?

磐田市公式サイトの「大雨への備え」の中のハザードマップのページと、「災害リスクを知る」のページで確認できます。洪水・津波・土砂で図が分かれているので、三つとも見てください。当サイトでも園ページに区域の情報を表示していく予定ですが、最終的な確認は市の資料で行ってください。

川沿いの公園は、雨が降っていなければ大丈夫ですか?

その場所で降っていなくても、上流の雨で水位が上がることがあります。大雨の予報や警報が出ている日は川沿いの園を避け、遊んでいる最中に水の色が濁る、水位が上がる、上流の空が暗くなるといった変化に気づいたら離れてください。雨が降り出す前に判断するのが基本です。

津波の区域の公園で揺れを感じたら、警報を待ってから動くべきですか?

強い揺れや長く続く揺れを感じたら、警報を待たずに揺れが収まり次第、高い場所へ動くのが基本とされています。子ども連れは移動に時間がかかるので、行き先と道順を先に決め、抱っこひもを持っておくと動きが速くなります。避難先で家族と落ち合う場所も区域外に決めておいてください。

家を選ぶとき、公園の区域まで見る必要がありますか?

必須ではありませんが、子育て世帯にはおすすめです。重要事項説明では住まいの位置を水害ハザードマップで説明することが義務づけられていますが、子どもが過ごすのは家だけではありません。家・保育園・小学校・公園を同じ地図で重ねて見ると、家族の動き方が具体的に描け、集合場所や避難先も決めやすくなります。

出典・参考

本記事は一般的な情報と磐田市の公開情報にもとづく読みものです。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。

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