計画・工学コスト工学

つくる費用と使い続ける費用——ライフサイクルコストで公園を見る

富士ヶ丘サービス株式会社 大石浩之

学問領域:コスト工学 公開・更新 2026-08-17 本文 約23,479字 読了目安 43分

要旨

本稿は、都市公園の施設をつくる費用と使い続ける費用をひとつの計算枠組みに収めるライフサイクルコスティング(施設の一生涯にかかる費用を数え上げ、時間の違いを補正して比べる手法)を、コスト工学の立場から整理する。問いは三つある。第一に、初期費用だけで選択肢を比べることはなぜ誤りうるのか。第二に、将来の費用を現在の大きさに直す割引という操作は何を仮定しているのか。第三に、その仮定は世代のあいだで何を意味するのか。

方法は文献整理と概念分析である。価値工学の系譜、耐用計画の国際規格、公共事業評価の指針といった一般的な枠組みを確認したうえで、現在価値・等価年費用・感度分析という計算の道具を平易な言葉に置き直す。本稿では具体的な金額や単価を一切示さない。金額を示さずに枠組みだけを示すのは、意思決定を左右するのが費用の絶対額ではなく、選択肢どうしの相対的な位置関係と、その位置関係が入れ替わる条件だからである。

主な論点は四つである。第一に、費用の四区分(初期・運用・更新・廃棄)よりも先に、どこまでを費用に数えるかというシステム境界の設定が結論を決める。第二に、寿命の異なる選択肢を比べるには、分析期間の統一と機能の同等性という条件が要り、これが崩れた比較はどれだけ精密に計算しても意味をなさない。第三に、割引率の選択は技術的な計算ではなく将来をどれだけ重く見るかという規範的な判断であり、率が高いほど安く造って後で直す選択が有利に見える。第四に、不確実な将来を扱う作法は正確な一点を当てることではなく、結論が入れ替わる分岐点を示すことである。

磐田市には当サイトが収録する100園があり、街区公園51園から総合公園3園まで種別の幅が広く、面積は221,722㎡から17㎡まで桁が違う。同じ計算の粒度をすべての園に当てはめることはできない。市の施設ガイドには水景の稼働期間や稼働時間が明記されている園があり、運用費用が季節や時間に張り付いていることが読み取れる。当サイトの踏査はこれからであり、設置年や更新履歴は本稿の射程外である。

キーワードライフサイクルコスト現在価値割引率等価年費用感度分析世代間衡平システム境界

1. はじめに——問題の所在

公園の費用が語られるとき、話題はしばしば造るときの費用に集中する。新しい複合遊具が入った、広場が整備された、トイレが建て替えられたという出来事は目に見え、日付を持ち、写真に残り、説明の対象になる。これに対して、その後の数十年にわたって少しずつ出ていく費用——点検、清掃、除草、剪定、部材の交換、破損への対応、そして最後の撤去——は、出来事の形をとらない。毎年の作業は前年と似ており、区切りがなく、完了の瞬間もない。見えにくいものは軽く扱われやすい。

コスト工学(原価を対象として、見積り・分析・管理の手続を体系化する工学の一分野)は、この見えにくさを計算の手続によって埋めようとする。ここでいう計算とは、正確な金額を当てる作業のことではない。何を費用として数え、どの範囲を見渡し、時間の違いをどう補正し、どの前提が結論を支えているのかを、他人が検証できる形に書き下す作業である。金額そのものよりも、金額を並べるための約束事のほうが、この分野の中身に近い。

1.1 三つの問い

ライフサイクルコスティングとは、ある施設が企画されてから廃棄されるまでの一生涯にかかる費用をすべて数え上げ、発生する時期の違いを補正したうえで合計し、選択肢どうしを比べる手法をいう。合計された額はライフサイクルコスト、頭文字をとってLCCと呼ばれることが多い。この手法は建築や設備の分野で広く使われてきたが、公園の施設に当てはめようとすると、いくつかの固有の難しさが現れる。本稿はそこに三つの問いを立てる。

  • 初期費用だけで選択肢を比べることは、なぜ誤りうるのか。そして、どのような条件が揃えば、初期費用による比較はむしろ正しくなるのか。
  • 将来の費用を現在の大きさに直す割引という操作は、何を仮定しているのか。割引率というたった一つの数字は、どこから来て、何を代表しているのか。
  • 割り引くという操作は、いま公園を使っている人々と、これから使う人々、そしてまだ生まれていない人々のあいだで、何を意味するのか。
三つの問い時間の差比べ方
図1本稿の問いは、費用の額そのものではなく、時間の差をどう補正して選択肢を比べるかという計算の作法にある。

1.2 方法と、本稿がしないこと

方法は文献整理と概念分析である。価値工学の系譜、耐用計画に関する国際規格、公共事業評価の技術指針といった一般に参照可能な枠組みを確認したうえで、現在価値・等価年費用・感度分析という計算の道具を、専門用語に頼らない言葉に置き直す。数式は最小限にとどめ、式の形よりも式が何を仮定しているかに紙幅を割く。

本稿は具体的な金額・単価・工事費の水準を一切示さない。理由は二つある。第一に、単価は地域・時期・仕様・数量・調達方法によって大きく動き、一つの数字を示すことがかえって誤った一般化を招く。第二に、そして本稿の主張にとってはこちらが重要だが、意思決定を左右するのは費用の絶対額ではなく、選択肢どうしの相対的な位置関係と、その位置関係が入れ替わる条件だからである。額を伏せても、比較の構造は論じられる。

同じ理由から、本稿は磐田市の個別の公園について工事費・管理費・更新計画に立ち入らない。用いる磐田市の事実は、公開されている園数・種別・面積・設備の記載に限られる。割合として示す数値は、法令または省庁等の指針に明記のあるものだけとし、それ以外は概念として述べて断定を避ける。安全に関わる判断についても、本稿は費用の数え方を論じるにとどめ、個別の可否は関係機関の判断に委ねる。

1.3 本稿の構成

第2節でコスト工学とライフサイクルコスティングの系譜と基本語彙を整理する。第3節で費用の四区分と、どこまでを費用に数えるかというシステム境界の問題を扱う。第4節で現在価値の算術を、第5節で割引率の選択が技術ではなく規範の問題であることを示す。第6節で比較可能性の四条件を、第7節で公園に典型的な三つの対の比較を検討する。第8節で不確実性の扱い、第9節で世代間の含意、第10節で本手法への反論への応答を述べる。第11節で磐田市の公園に照らし、第12節で結論と課題を示す。

2. 先行研究と概念の整理——コスト工学とライフサイクルコスティング

ライフサイクルコスティングは、経済学の理論から演繹されて生まれたというより、調達と設計の現場で必要に迫られて組み上げられた手続である。したがってその歴史は、理論の系譜というより道具の系譜として読むほうが実態に近い。本節では、コスト工学という分野の輪郭、手法の系譜、それが書かれている規格と指針、そして以降の議論で繰り返し使う語彙を整理する。

2.1 コスト工学という分野の輪郭

コスト工学は、ものをつくり、動かし、やがて処分するまでの原価を対象とする応用分野である。会計学が事後に記録された費用を扱うのに対し、コスト工学は事前の見積りと、設計案の比較に重心がある。設計が決まってから費用を積み上げるのではなく、費用の見通しを設計にはね返すという方向を持つ点が特徴的で、この向きの違いが後述する価値工学につながる。

この分野が繰り返し強調してきた経験則がある。費用の大部分は、設計の初期段階、すなわちまだ図面が具体化していない段階で実質的に決まってしまうという主張である。工事が始まってからできる節約は限られており、部材が納入されてからできる節約はさらに限られる。逆に言えば、比較検討に最も価値があるのは、まだ何も造られていない段階である。公園の施設についても、遊具の機種を選ぶ段階、地表面の仕上げを決める段階、樹種を選ぶ段階で、その後数十年の費用の形がおおむね定まる。

2.2 価値工学から耐用計画へ——手法の系譜

手法の直接の祖先は価値工学である。L.D.マイルズが1961年に著した『価値分析・価値工学の技法』は、製品や設備を部品の集まりとしてではなく機能の集まりとして捉え直し、同じ機能をより少ない費用で果たす代替案を探す手続を体系化した。ここで導入された「機能でものを見る」という視点は、後のライフサイクルコスティングの前提になっている。比べるべきは物ではなく、物が果たしている機能だからである。

価値工学機能で見る見積り
図2手法の系譜は、物ではなく機能を比べるという価値工学の発想を受け継いでいる。この一点が比較の土俵をつくる。

ライフサイクルコストという言い方が公共部門で広まったのは、装備品の調達において、購入時の価格が安い機種が運用と整備の段階で高くつくという経験が積み重なったためだとされる。買うときに払う額と、持ち続けるあいだに払う額を合わせて評価しなければ、調達の判断が体系的に偏る。この認識が、やがて建築物・土木構造物・公共施設一般へ広がった。

2.3 規格と指針——どこに書かれているか

国際規格としては、建築物および建設資産の耐用計画を扱うISO 15686シリーズがあり、その第5部がライフサイクルコスティングを扱っている。ここでは、分析の目的・対象範囲・分析期間・割引率といった前提をあらかじめ明示することが求められる。規格が求めているのは特定の計算結果ではなく、前提の開示である。この点は本稿の立場と重なる。資産管理の一般的枠組みを定めるISO 55000シリーズも、資産の一生涯にわたる価値の管理を原則に掲げている。

日本の公共部門では、公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針が費用と便益の数え方と時間の補正を定め、公園に固有の文脈では公園施設長寿命化計画策定指針が、施設の状態に応じた保全の考え方を示している。さらに上位には、インフラ長寿命化基本計画と、総務省の公共施設等総合管理計画に関する指針がある。これらは費用の計算式そのものを与えるものではないが、施設を一生涯の単位で捉えるという前提を制度の側から要求している点で、本稿の議論の背景をなす。

2.4 基本語彙——資本的支出と経常的支出、埋没費用と機会費用

以降で繰り返し使う語を確認しておく。資本的支出とは、資産を新たに取得したり、その価値や耐久性を高めたりするための支出をいう。経常的支出とは、資産を現在の状態で使い続けるために毎期発生する支出をいう。この区分は会計上の扱いを分けるだけでなく、財源の付き方も分ける。造るための支出には補助や起債の道が開かれやすく、使い続けるための支出は日々の財源から出ることが多い。この非対称が、初期費用だけを見る誘因を制度の側から与えている。

埋没費用とは、すでに支出され、これからどの選択肢を選んでも取り戻せない費用をいう。合理的な比較においては、埋没費用は比較から除かれる。すでに高い費用をかけて設置した施設だからという理由で、これからの維持に見合わない支出を続ける判断は、この原則に反する。機会費用とは、ある選択をしたために手放した最善の代替案の価値をいう。用地を公園として使い続けることの機会費用、限られた保全の人手をある園に割くことの機会費用は、帳簿には現れないが比較には効いてくる。

3. 費用の四区分と、システム境界の引き方

ライフサイクルコストは、慣例として四つの区分に分けて数えられる。初期費用、運用費用、更新費用、廃棄費用である。この四区分は覚えやすく、抜けを見つけやすい。しかし本節で強調したいのは、四区分に分けること自体よりも、その手前にある決定——どこまでを費用として数えるかという境界の設定——のほうが、結論に対してはるかに大きな影響を持つという点である。

3.1 四つの区分

初期費用は、企画・調査・設計・用地の確保・工事・検査といった、供用が始まるまでの支出をいう。運用費用は、供用中に繰り返し発生する支出であり、点検、清掃、除草、剪定、電気や水道の使用、保険、そして軽微な補修が含まれる。更新費用は、部材の交換や大規模な修繕、機種そのものの取り替えのように、間隔をおいて塊で発生する支出をいう。廃棄費用は、撤去、運搬、処分、そして跡地の原状回復にかかる支出である。

区分内容公園での例発生の形
初期費用供用開始までの支出調査・設計、造成、機種の据付、地表面の仕上げ、植栽一度きり・大きい
運用費用供用中に繰り返す支出点検、清掃、除草、剪定、水道と電気の使用、保険毎年・小さい・止まらない
更新費用間隔をおいて塊で来る支出摩耗部材の交換、塗り替え、機種の取り替え、大規模修繕数年〜数十年おき・中〜大
廃棄費用使い終わるための支出撤去、運搬、処分、跡地の整地最後に一度・見落とされやすい

四つのうち、意思決定の場で最も過小に扱われるのは廃棄費用である。撤去は遠い将来の出来事であり、後述する割引の操作によってさらに小さく見える。しかも、造る時点では誰も撤去の話をしたがらない。だが撤去費用を勘定に入れなければ、解体しやすい構造と解体しにくい構造の差が比較に現れない。地中深くに基礎を打つ構造と、置き型で撤去が容易な構造とでは、最後に払う額が大きく違いうる。

初期運用更新廃棄
図3四区分のうち最後の廃棄費用は、遠い将来にあり、割り引かれ、話題にもなりにくいという三重の理由で過小に扱われる。

3.2 数えない費用がある——システム境界という決定

システム境界とは、分析においてどこまでを対象に含めるかを定める線引きをいう。線をどこに引くかは技術的な細目に見えて、実際には結論を決めることがある。たとえば地表面の仕上げを比べるとき、境界を「その施設の直接の工事と維持」に引けば、初期費用の安い仕上げが有利になりやすい。境界を広げて排水設備への影響、周囲の樹木への影響、夏季の路面の状態に対する対応まで含めれば、順位は入れ替わりうる。

境界の設定には正解がない。だからこそ、どこに引いたかを書き残すことが手続上の要になる。同じ対象について二つの分析が違う結論を出したとき、多くの場合その差は計算の誤りではなく境界の違いから来る。分析を読む側にとって最初に確かめるべきなのは、合計額ではなく、何が数えられていて何が数えられていないかである。

3.3 誰の費用か——供給者・利用者・第三者

境界の設定には、範囲だけでなく主体の選択も含まれる。管理者が支払う費用だけを数えるのか、利用者が負担する費用まで数えるのかで、像は変わる。公園まで移動するために利用者が費やす時間と交通の費用、持ち物を用意する費用、日除けがない場所で滞在時間が短くなることの機会費用は、管理者の帳簿には現れないが、利用者にとっては確かな負担である。

さらに外側には第三者への影響がある。周辺への騒音や落ち葉、路上駐車の発生、逆に樹木がもたらす日陰や雨水の受け止めといった、市場を通らない効果である。これらは費用側にも便益側にも現れうる。本稿は費用の枠組みを扱うため便益の測定には踏み込まないが、境界の外に置いた項目が便益側で大きな意味を持つ場合、費用だけを狭く数えた比較は判断の材料として不十分になる。狭い境界で速く計算するか、広い境界で慎重に計算するかは、決定の重さに応じて選ばれるべき設計変数である。

4. 現在価値——将来の費用を今の大きさに直す

費用の項目を数え上げたら、次はそれらを足し合わせる。ところが、今年払う額と二十年後に払う額を単純に足すことはできない。発生する時期が違う額をそのまま合計すると、長く使う選択肢ほど不利に見え、短く使い捨てる選択肢ほど有利に見えるという偏りが入る。この偏りを取り除くための操作が、現在価値への換算、すなわち割引である。

4.1 なぜ将来の一単位は今の一単位より軽いのか

将来の費用を軽く見積もる根拠は、大きく三つに分けて説明されてきた。第一に機会費用である。今支払わずに済んだ資金は、別の用途に回して何らかの成果を生みうる。第二に時間選好である。人は同じものなら早く得たいと考える傾向を持つとされ、A.C.ピグーは1920年の『厚生経済学』で、遠い将来を小さく見てしまう人間の性向を望遠鏡になぞらえて欠陥と呼んだ。第三に不確実性である。遠い将来に本当にその支出が発生するかは、近い将来より確かでない。

三つの根拠は同じ方向を向いているが、意味は同じではない。機会費用は資金の使い道の問題であり、時間選好は選好の問題であり、不確実性は確率の問題である。にもかかわらず、実務ではこの三つがまとめて一つの割引率という数字に押し込められる。第5節で見るように、この押し込めが割引率をめぐる論争の温床になっている。

4.2 現在価値の式と、その振る舞い

n年後に発生する費用の現在価値は、その額を(1+割引率)のn乗で割ったものとして表される。割引率は年あたりの率であり、nは今からの年数である。式そのものは単純だが、その振る舞いには注意が要る。割引の効果は年数に対して指数関数的に効くため、近い将来ではほとんど差がないのに、遠い将来では劇的に効く。おおまかな目安として、およそ70を割引率の百分率の数値で割った年数が経つと、将来の費用の現在価値はおよそ半分になる。

この性質は、公園の意思決定に直接はね返る。遊具の取り替えのように十年から数十年の間隔で来る支出は、割引率の設定によって重みが大きく変わる。逆に、毎年発生する点検や清掃のような支出は、遠い年の分が軽くなるとはいえ、毎年積み上がるため合計としては無視できない大きさになる。塊で来る費用は割引率に敏感で、毎年来る費用は割引率に比較的鈍い。この感度の違いが、後の感度分析の出発点になる。

年数割引現在価値
図4割引は年数に対して指数関数的に効く。塊で来る更新費用は割引率に敏感で、毎年の運用費用は比較的鈍い。

4.3 等価年費用——寿命の違うものを並べる

選択肢の寿命が違うとき、合計の現在価値をそのまま比べると長寿命の側が不利に見える。長く使えるものは、その期間に対応する費用をすべて背負っているからである。この不整合を避けるために使われるのが等価年費用である。これは、ある選択肢のライフサイクルコストの現在価値を、その寿命の年数にわたって毎年同額を払い続ける形に置き換えたときの、一年あたりの額をいう。単位が年あたりに揃うため、寿命の異なる選択肢を同じ物差しで並べられる。

等価年費用は便利な道具だが、暗黙の仮定を背負っている。寿命が尽きたあと、同じ条件で同じものを繰り返し設置し続けるという仮定である。公園の施設では、この仮定が現実と食い違うことが珍しくない。取り替えの時期に、同じ機種が製造されていないかもしれない。安全に関する考え方が変わっているかもしれない。そもそも、その施設を更新しないという選択が採られるかもしれない。この点は第7節で再び扱う。

4.4 名目と実質——物価の扱いを揃える

計算を実際に組むときに最も多い誤りの一つが、物価の扱いの取り違えである。将来の費用を、その時点で実際に支払うであろう額(名目値)で見積もったなら、割引率も物価上昇を含んだ名目の率でなければならない。逆に、費用を現在の価格水準に固定した額(実質値)で見積もったなら、割引率も物価上昇を除いた実質の率を使う。名目の費用を実質の率で割り引くと、将来の費用が体系的に過大に評価される。

註:公共部門の指針では、実質値と実質割引率の組み合わせが用いられることが多い。ただし、労務や特定の資材のように、一般物価とは異なる動き方をすると見込まれる項目については、その差分を別に扱う設計が採られる場合がある。いずれにせよ、どちらの立て方を採ったかを明記しないまま合計だけを示すと、読み手は結果を検証できない。

5. 割引率の選び方——技術ではなく規範の問題

割引率は、ライフサイクルコスティングの中で最も小さく、最も影響の大きい入力である。式のどこにも現れない価値判断が、この一つの数字に凝縮している。本節では、割引率がどのように導かれ、どの範囲で争われ、そして率の高低が公園の選択にどう作用するのかを整理する。

5.1 三つの導き方

社会的な意思決定に用いる割引率、いわゆる社会的割引率の導き方には、大きく三つの系統がある。第一は資本の機会費用に求める考え方で、公共部門が資金を使うことによって民間部門で失われた収益率を基準に置く。第二は社会的時間選好に求める考え方で、社会が将来の厚生を現在の厚生に比べてどれだけ重く見るかを直接に問う。第三は資金調達の費用に求める考え方で、公債の利回りなどを基準に置く。

第二の系統を定式化したのがラムゼーの枠組みである。F.P.ラムゼーは1928年の論文で最適な貯蓄の問題を扱い、そこから、社会的割引率を、純粋な時間選好率と、経済成長率に消費の限界効用の弾力性を掛けたものの和として表す整理が導かれた。前者は「将来の世代であるというだけの理由でどれだけ割り引くか」を、後者は「将来のほうが豊かなら、そのぶん追加の一単位の価値は小さい」という考えを表す。この分解の重要な点は、前半部分が経験的に測れる量ではなく、倫理的な立場そのものだということである。

5.2 指針に書かれた割引率

実務では、率を各分析者が独自に決めることは避けられ、指針が値を指定するのが通例である。日本の公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針をはじめとする一連の枠組みでは、社会的割引率として4パーセントを用いる扱いが示されてきた。英国財務省のグリーンブックは3.5パーセントを標準とし、さらに非常に長い期間については率を段階的に引き下げる扱いを採っている。値そのものより注目に値するのは、公的な指針が値を固定するという設計思想である。

値を固定する利点は明快である。同じ物差しで異なる事業を比べられ、分析者が結論に都合のよい率を選ぶ余地を封じられる。一方で欠点もある。固定された率は、それが導かれた時代の資本市場や成長の見通しを反映しており、状況が変わっても更新されにくい。加えて、単一の率は、資金の機会費用・時間選好・不確実性という性質の異なる三つの根拠を一つに畳み込んでいるため、どの根拠が効いているのかを議論から見えなくする。

率の選択世代期間
図5割引率は計算の入力に見えて、将来をどれだけ重く見るかという規範的な立場の表明である。値の固定は比較可能性と引き換えに議論を隠す。

5.3 割引率論争——長期の問題が浮かび上がらせたもの

割引率が単なる技術的な設定ではないことを広く知らしめたのは、気候変動をめぐる論争である。2006年のスターン・レビューは、純粋な時間選好率をきわめて低く置く立場を採り、遠い将来の損失を重く評価した。これに対しW.D.ノードハウスは2007年の書評で、市場で観察される利回りと整合的な率を用いるべきだと論じ、結論の差の大半は割引率の設定に由来すると指摘した。両者が用いた物理的・経済的な前提の多くは共通しており、結論を分けたのは主として一つの数字だった。

この論争は公園の問題から遠いように見えるが、構造は同じである。数十年から百年の単位で費用と便益が分布する対象を扱うとき、割引率の選択が結論を支配する。公園は建て替えの周期が長い樹木を抱え、世代をまたいで使われ、そして更新の判断が数十年おきに巡ってくる施設である。長期の問題を扱う限り、この論争の射程の内側にある。

5.4 逓減する割引率と、率の高低が意味するもの

長期の扱いについて、M.L.ワイツマンは1998年および2001年の研究で、将来の割引率そのものが不確実である場合、遠い将来に適用される実効的な率は、考えられる率の中で最も低いものに近づくと論じた。この考えは逓減する割引率と呼ばれ、英国の指針のように長期に率を引き下げる設計として実装されている例がある。遠い将来ほど率を下げるという扱いは、遠い将来を軽くしすぎることへの制度的な歯止めとして働く。

割引率が高いとき割引率が低いとき
初期費用が安い選択肢が有利に見える初期費用が高くても長寿命の選択肢が有利に見える
予防的な保全より事後の対応が選ばれやすい予防的な保全の価値が正当に評価されやすい
遠い将来の撤去費用がほとんど消える撤去費用が判断に残る
樹木のように育つのに時間がかかる資産が不利になる育成期間の長い資産が評価されやすい
現在の世代の判断が軽くなる将来の世代への配慮が計算に組み込まれる

表が示すのは、割引率が公園における選択の方向を体系的に傾けるということである。率が高い世界では、安く造って壊れたら直す、あるいは壊れたら撤去するという運び方が計算上は有利になる。率が低い世界では、初期に手間をかけて長くもたせる運び方が有利になる。どちらが正しいかは計算の中では決まらない。決めているのは、その手前で選ばれた一つの数字である。

6. 比較の設計——同じ土俵をつくる四つの条件

ライフサイクルコスティングは比較の手法である。したがって、比較が成り立つ土俵が整っていなければ、どれだけ精密に計算しても結果は意味をなさない。土俵づくりに必要な条件は四つある。機能の同等性、分析期間の統一、費用項目の網羅、価格水準の統一である。このうち三つ目と四つ目はすでに触れたので、本節では一つ目と二つ目に紙幅を割く。

6.1 機能の同等性——同じサービスを比べているか

第一の条件は、比べる選択肢が同じ機能を果たしているかである。価値工学の発想を受け継ぐこの条件は、実際の場面で最も破られやすい。地表面の仕上げを比べるとき、費用だけを並べれば単純な比較に見えるが、仕上げの違いは転倒したときの衝撃の受け止め方、夏季の表面の状態、水はけ、車いすやベビーカーの通りやすさ、埃の立ち方といった機能の違いを伴う。これらが違うなら、それは同じものの安い版と高い版ではなく、別のものである。

機能が違うものを費用だけで比べると、必ず安いほうが勝つ。しかし勝ったのは、比較の土俵から機能の差を落としたからである。この誤りは計算の誤りではなく、設計の誤りとして現れるため、数字を検算しても見つからない。防ぐ方法は一つしかない。比較表の冒頭に、比べる選択肢が共通して満たすべき機能の要件を書き出し、それを満たさない案は費用にかかわらず土俵に上げないことである。

6.2 分析期間の統一——いつまでを見るか

第二の条件は、どこまでの期間を見るかを揃えることである。分析期間は、対象の物理的な寿命と一致するとは限らない。ここで注意すべきは、寿命という言葉が少なくとも三つの異なる意味で使われることである。物理的にもたなくなるまでの年数、安全上あるいは機能上使い続けられなくなるまでの年数、そして会計上の償却期間である。三つは一致しない。

会計上の期間については、減価償却資産の耐用年数等に関する省令の別表第一に、すべり台・ぶらんこ・ジャングルジムその他の遊戯用の構築物について10年という耐用年数が定められている。これは税務上の償却の期間であって、その年数で使えなくなるという意味でも、その年数までは安全だという意味でもない。にもかかわらず、計算の場で手近な数字として流用されやすい。分析期間に会計上の年数を用いるのであれば、そう明記したうえで、物理的・安全上の寿命とは別物であることを注記する必要がある。

四条件同じ表に機能の要件
図6比較の土俵は、機能の同等性・期間の統一・項目の網羅・価格水準の統一という四条件で成り立つ。崩れた土俵の上の精密な計算に意味はない。

6.3 寿命が揃わないときの三つの作法

選択肢の寿命が揃わない場合、期間を揃えるための定型的な手立てが三つある。第一は、両者の寿命の最小公倍数にあたる期間をとり、その期間内で繰り返し設置すると仮定して比べる方法である。第二は、共通の分析期間を先に決め、期間の終わりに残っている資産の価値を残存価値として差し引く方法である。第三は、第4節で述べた等価年費用に換算し、年あたりの額で比べる方法である。

三つはいずれも、期間の不一致という技術的な問題を解く。しかし三つとも、寿命が尽きたあとに同じものを同じ条件で置き直すという仮定を共有している。公園の施設では、この仮定は必ずしも成り立たない。更新の時期に同じ機種が入手できるか、そのときの安全に関する考え方が同じか、そもそも更新するのかは、いずれも将来の決定に属する。したがって、期間を揃える手立ては便宜であって真実ではない。分析の結論を述べるときに、この便宜を明示することが誠実さの最低線になる。

6.4 初期費用による比較が正しくなる条件

ここで、第1節に掲げた問いの後半に答えておきたい。初期費用だけで比べることが誤りでなくなるのは、どのような条件のもとでか。答えは明快で、比べる選択肢のあいだで、初期費用以外のすべての費用の流れが実質的に等しいときである。同じ機種の同じ仕様を、異なる調達方法で入れる場合などがこれにあたる。この条件が満たされているなら、初期費用による比較は正しいだけでなく、余計な計算をしない点で優れている。

逆に言えば、この条件が満たされていないことを確認しないまま初期費用だけを並べることが問題なのである。ライフサイクルコスティングの実務的な価値は、常に一生涯の費用を計算することにあるのではなく、一生涯まで見なくてよいかどうかを最初に判定する点にある。判定の結果、見なくてよいと分かればそこで止めればよい。この判断を省くことが、費用を過小に見積もる最も一般的な経路である。

7. 三つの対を比べる——芝生と舗装、樹木と人工の日除け、短寿命と長寿命

前節までに整えた枠組みを、公園で実際に生じる三つの選択に当てはめる。金額は示さない。示すのは、費用がどの区分に、どの時期に、どのような形で現れるかという構造である。構造が分かれば、手元の条件を入れたときにどちらが有利になるかを、読者が自分で判断できる。三つの対はいずれも、初期費用だけの比較が誤りを生みやすい典型である。

7.1 芝生と舗装——初期に軽く運用に重い側と、その逆

広場や園路の仕上げをどうするかは、費用の時間的な形が最も分かりやすく分かれる選択である。草地や芝生は、初期の造成に比べて、供用後の刈り込み・目土・散水・補修といった作業が毎年繰り返し発生する。舗装は、初期の工事が重いかわりに、日常の作業は清掃と点検が中心となり、大きな支出は表層の劣化に応じて間隔をおいて訪れる。つまり一方は毎年型、他方は塊型の費用構造を持つ。

この対で第4節の議論が効いてくる。塊型の費用は割引率に敏感で、毎年型の費用は鈍い。割引率を高く置けば、遠い将来の舗装の打ち替えが軽くなり、舗装が有利に傾く。低く置けば逆になる。したがって、この比較の結論を報告するときには、採用した割引率を必ず併記しなければならない。率を書かない比較表は、結論の半分を隠している。

さらに機能の同等性の条件が問題になる。二つの仕上げは、転倒時の衝撃の受け止め方、夏季の表面の状態、雨天後の使えるようになるまでの時間、水はけ、車いすやベビーカーの通りやすさが異なる。同じ機能の安い版と高い版ではない。したがってこの対は、厳密には費用の比較ではなく、機能の要件を先に決めたうえで、その要件を満たす範囲での費用比較として設計されなければならない。

地表面樹木遊具
図7三つの対はいずれも、初期費用の順位と一生涯の費用の順位が入れ替わりうる構造を持つ。入れ替わる条件を示すことが分析の仕事である。

7.2 樹木と人工の日除け——育つ資産という特異点

夏の日差しをさえぎる手立てとして、樹木を植えるか、シェードやパーゴラのような構造物を設けるかという選択がある。この対には、他の対にない特異な性質がある。樹木は時間とともにサービスの量が増える資産だという点である。植えた直後の若木がつくる日陰は小さく、年を追って大きくなる。人工の日除けは設置した日から一定のサービスを供給し、その後は劣化とともに緩やかに低下する。

この違いは割引と噛み合ったときに非対称な効果を生む。樹木のサービスが大きくなるのは将来であり、割り引かれて軽く評価される。一方で樹木の初期費用は今かかる。割引率が高い世界では、育つのに時間がかかる資産は体系的に不利になる。これは樹木という資産の実際の性能とは無関係な、計算手続に由来する不利である。第5節の表に掲げた最後から二番目の行は、この現象を指している。

他方、樹木は費用の側にも固有の形を持つ。剪定と落ち葉への対応は毎年発生し、樹齢が進むほど、枝の点検や診断、必要に応じた措置の重みが増す。人工の日除けは布地や部材の更新が塊で来る。したがって両者の比較は、初期・毎年・塊という三つの流れが二本とも異なる形で走る、やや複雑な比較になる。ここで安易に片方だけを見ると、どちらの方向にも誤りうる。

7.3 短寿命の遊具と長寿命の遊具——更新されない可能性

第三の対は、初期費用が抑えられている機種と、初期費用が高いかわりに長くもつとされる機種の選択である。ここでは、単に寿命の年数を比べるだけでは足りない。効いてくるのは保守性、すなわち劣化した部分だけを交換できるかどうかである。摩耗する部分が独立した部材になっていて、その部材だけを取り替えられる構造は、全体の更新を先送りできる。一体で成形されていて部分交換ができない構造は、どこか一箇所の劣化が全体の更新につながる。

もう一つ効いてくるのが部品の供給が続く期間である。設計上の寿命が長くても、交換部材が入手できなくなれば、その時点で実質的な寿命が尽きる。長寿命であることの価値は、部材の供給という外部条件に依存している。この依存関係は初期費用の比較には現れず、契約や仕様の段階で確かめるほかない。

そして、この対には第6節で触れた仮定の破れが最も鋭い形で現れる。長寿命の機種が有利になるのは、その施設が寿命の尽きるまで使われ続け、なおかつ更新されるという前提のもとでである。もし将来のどこかで、その公園の遊具を更新せず撤去するという判断がありうるなら、長寿命への追加投資は回収されない。人口の構成が変わりうる地域では、この可能性は空想ではない。長寿命という価値は、施設が使われ続けるという条件つきの価値である。

初期費用の形運用費用の形更新費用の形比較を歪めやすい要因
草地・芝生/舗装前者が軽い前者が重く毎年発生後者が塊で来る割引率の設定と、機能が同等でないこと
樹木/人工の日除け条件により差は小さい前者は剪定と落葉、後者は点検中心前者は診断と措置、後者は部材更新サービスが将来に偏る樹木が割引で不利になる
短寿命の遊具/長寿命の遊具後者が重い大きな差は出にくい前者が短い間隔で繰り返す部分交換の可否、部材供給の年限、更新されない可能性

8. 不確実性の扱い——感度分析・分岐値・シナリオ・柔軟性

ライフサイクルコスティングに向けられる最も一般的な批判は、将来の費用など分からないというものである。この批判は正しい。数十年先の作業の頻度も、資材の価格も、そもそもその施設が使われているかどうかも、確実には分からない。だが、分からないことは計算しない理由にはならない。分からなさを扱う作法があるからである。本節はその作法を四段階に分けて述べる。

8.1 感度分析——一つずつ動かす

感度分析とは、入力のうち一つだけを変えて、結果がどれだけ動くかを見る操作である。割引率、分析期間、更新の間隔、毎年の作業の頻度といった入力を、それぞれもっともらしい範囲で上下に振り、合計の現在価値や等価年費用がどう変わるかを記録する。結果を、動きの大きい順に横棒として並べた図は、その形からトルネード図と呼ばれる。

この操作の価値は、結果の幅を知ることよりも、どの入力が効いているかを知ることにある。効いていない入力については、精度を上げる努力は無駄である。効いている入力については、たとえ手間がかかっても調べる価値がある。限られた調査の労力をどこに配分するかを決める指針として、感度分析は計算そのものより有用でありうる。

8.2 分岐値——結論が入れ替わる点を示す

感度分析の一歩先に、分岐値の提示がある。分岐値とは、ある入力がどの値を超えたときに選択肢の順位が入れ替わるか、その境目の値をいう。たとえば、割引率がある値より低ければ長寿命の機種が有利で、それより高ければ短寿命の機種が有利になる、という形で示す。あるいは、更新の間隔がある年数より長くもつなら初期投資が回収される、という形で示す。

分岐値の提示が優れているのは、判断を数字から言葉に翻訳できるからである。分岐値が示されれば、議論は「合計額はいくらか」ではなく「この機種は本当にその年数もつと考えてよいか」に移る。後者は現場の経験や点検の記録によって答えられる問いである。すなわち分岐値は、計算の結論を、その場にいる人が持っている知識で検証できる問いに変換する装置である。本稿が金額を示さずに構造だけを論じられるのも、同じ理屈による。

不確実幅で示す分岐点
図8不確実性への作法は、正しい一点を当てることではなく、結論が入れ替わる分岐点を示して議論を検証可能な問いに変えることである。

8.3 シナリオと確率分布

入力どうしが独立でない場合、一つずつ動かす感度分析では足りない。利用の集中が高い状態は、摩耗の進行が速い状態と結びつきやすく、清掃の頻度とも結びつく。こうした連動を扱うには、入力の組を束ねてシナリオとして扱う。利用が多い将来、利用が少ない将来、といった数個の筋書きを立て、それぞれの下での費用の像を並べる方法である。

さらに進んだ扱いとして、各入力に確率分布を与え、乱数で多数回の試行を行って結果の分布を得る方法がある。モンテカルロ法と呼ばれる。得られるのは一つの額ではなく、額の散らばりである。ただしこの方法には注意が要る。入力に与えた分布は、多くの場合、確かな根拠のない仮定である。仮定した分布から出てきた分布は、計算の手間が大きいぶん、かえって確からしく見えてしまう。精度の見かけが実質を上回る危険は、方法が高度になるほど大きくなる。

8.4 柔軟性の価値——実物オプションという視点

最後に、不確実性を単なる誤差としてではなく、意思決定の設計変数として扱う視点を挙げておきたい。A.K.ディキシットとR.S.ピンダイクが1994年の『不確実性下の投資』で整理した実物オプションの考え方は、将来の情報が明らかになってから決められるという柔軟性そのものに価値があると論じる。取り返しのつかない投資を今すべて行うのではなく、一部を後に残す設計には、待つことの価値が含まれている。

公園に引き寄せれば、これは三つの形をとる。第一に、段階的に整備する設計である。まず基盤を整え、利用の実態を見てから施設を足す運び方には、間違いを縮小できる余地がある。第二に、変更しやすい構造である。撤去や配置換えが容易な施設は、需要が変わったときに対応できる。第三に、更新の時期を選べる状態を保つことである。予防的な保全は、費用を先に払うかわりに、更新の時期を自分で選べる状態を買っているとも言える。壊れてから直す運び方では、時期は選べない。

註:柔軟性に価値があるという主張は、決定を先送りしてよいという主張ではない。安全に関わる不具合への対応のように、待つことが不利益を生む種類の決定では、柔軟性の価値は働かない。待つことの価値は、待つあいだに情報が増え、かつ待っても状況が悪化しない場合に限って生じる。

9. 割り引くことの世代間の含意

ここまで割引を計算の道具として扱ってきた。本節では道具を裏返し、割り引くという操作が世代のあいだで何をしているのかを問う。公園はこの問いを避けられない施設である。造る決定をした世代と、費用を払い続ける世代と、実際に遊ぶ世代は、しばしば別だからである。

9.1 割引は将来の費用を軽く見せる

割引の算術は、将来に発生する費用の重みを機械的に小さくする。第4節で述べたとおり、割引率が高ければ数十年先の支出はほとんど無視できる大きさになる。この操作の受益者は現在の世代である。将来に発生する撤去や更新の費用を軽く見積もれば、今この場でより多くの施設を造る判断が正当化されるからである。逆に、将来世代がその費用を実際に払うときには、割引は何の助けにもならない。

デレク・パーフィットは1984年の『理由と人格』において、時間的な距離それ自体を理由に将来の利害を割り引くことの正当化の難しさを論じた。空間的に遠い人の利害を距離ゆえに軽く扱うことが正当化されないのなら、時間的に遠い人の利害を時間ゆえに軽く扱うことも同様に正当化されない、という筋の議論である。純粋な時間選好率をゼロに近く置くべきだという立場は、この系譜に連なる。

一方で、割引をゼロにすると別の困難が生じる。遠い将来の小さな費用が累積して現在の判断を圧倒し、いま必要な支出が行えなくなる。また、成長を前提とするなら将来世代は現在より豊かであり、同じ額の負担が持つ意味は軽くなるという議論にも一定の説得力がある。ラムゼーの分解が有用なのは、この二つの論点——時間そのものによる割引と、豊かさの違いによる割引——を分けて議論できる形にしている点にある。

いまの世代次の世代時間
図9割引は将来の費用を軽く見せる。造る決定をする世代と、費用を払い、実際に遊ぶ世代が別であることが、公園の特有の難しさをなす。

9.2 受益者の入れ替わりが速いという公園の特性

公園、とりわけ幼い子どもが使う施設には、他の公共施設にない性質がある。受益者の入れ替わりが極端に速いことである。ある年齢帯の遊具を主に使う期間は、一人の子どもについて数年にすぎない。施設の寿命が十年を超えるのに対し、一人の利用者にとっての利用期間はその何分の一かである。つまり一つの施設は、その一生涯のあいだに何組もの利用者の世代を通過させる。

この非対称は、費用の負担と便益の享受のずれを生む。設置の決定に関わった保護者の子どもは、更新の時期が来る前に対象年齢を過ぎていることが多い。逆に、更新の費用を負担する時期の住民の中には、その施設をまったく使わない人も、これから使う人もいる。誰の現在価値を計算しているのかという問いが、ここで具体的な形をとる。ライフサイクルコスティングは、この問いに答えを与えない。答えを与えないという事実を明示することが、手法を誠実に使うということである。

9.3 先送りされる撤去費用——負の遺産という形

世代間の含意が最も鋭く現れるのは、撤去費用の扱いである。撤去は最後に来る費用であり、割引によって最も強く縮められる。しかも、造る時点でそれを見積もる制度的な必然性は乏しい。結果として、撤去費用は将来の帳簿に、割り引かれない全額として現れる。現在の計算では小さかったものが、将来には小さくならない。この差額は、ある種の負債として次の世代に引き渡される。

この構図を緩和する手立ては、原理的には二つしかない。撤去しやすい構造を選ぶことによって将来の額そのものを小さくするか、あらかじめ費用を積み立てて将来の負担を平らにするかである。前者は設計の問題であり、後者は財政の問題である。本稿は費用の数え方を論じる立場から、少なくとも前者については、比較の段階で撤去の容易さを費用として明示的に数えるべきだと述べておきたい。数えなければ、設計に反映されようがない。

9.4 反論への応答——それでも割り引くべきか

以上の議論に対しては、割引をやめれば済むという応答がありうる。しかしそれは適切でない。割引をやめることは、将来の費用と現在の費用を同じ重みで扱うことを意味し、それ自体が一つの規範的な立場である。中立な選択肢はない。ゼロもまた一つの値である。K.J.アローとR.C.リンドが1970年の論文で論じたように、公共部門がリスクを社会全体に薄く分散できる立場にあることは、民間と同じ率を用いるべきでない理由になりうる。だがそれは率を下げる根拠であって、割引という操作を捨てる根拠ではない。

本稿の立場は次のとおりである。割引は避けられず、率の選択は規範的であり、したがって率は隠されてはならない。実務上の帰結は単純で、分析の結論を報告するときには、必ず用いた割引率と、率を変えたときに結論がどう動くかを併記する。第8節の分岐値の提示は、まさにこの要請に応えるための道具である。世代間の問題は計算では解けないが、計算の前提を開示することによって、解くべき問いの形にまで持っていくことはできる。

10. 反論への応答——ライフサイクルコスティングの限界

手法の効用を述べたので、次にその限界を正面から扱う。ライフサイクルコスティングには繰り返し向けられてきた批判がいくつかあり、そのうちのいくつかは正しい。正しい批判を認めたうえで手法の使いどころを絞ることが、手法を守る唯一の方法である。以下、五つの反論を順に検討する。

10.1 「将来の費用は分からないのだから、計算は無意味である」

この反論は前提としては正しく、結論としては誤っている。将来の費用は分からない。しかし、分からないまま初期費用だけで決めることは、将来の費用をゼロと見積もることと数学的に等しい。ゼロは、あらゆる推定値の中で最も根拠のない推定値である。第8節で述べたように、扱いの作法は幅で示すことと分岐値を示すことにあり、点で当てることにはない。この反論への応答は、一点の予測を放棄しつつ計算を続けるという形をとる。

10.2 「金額に換算できない価値が計算から落ちる」

これは正しい批判である。ただし、批判の矛先を正確に定める必要がある。ライフサイクルコスティングは費用の側だけを扱う手法であって、便益を金額に換算する手法ではない。子どもがそこで過ごした時間の意味、近所の人が言葉を交わす機会、木陰の涼しさといった価値は、この手法の対象ではない。したがって、この手法だけで施設の是非を決めることはできない。

手法の正しい位置づけは、機能の要件を満たす複数の選択肢のあいだで、より少ない費用で同じ機能を果たす案を選ぶことである。機能の要件そのものは、別の議論——利用者の必要、権利、地域の合意——によって決められる。費用の計算が要件の議論を置き換えようとしたとき、この批判は当たる。順序を守る限り、当たらない。

反論できないことできること
図10この手法は機能の要件を決められない。要件を先に決め、それを満たす案のあいだで費用を比べるという順序を守るときにだけ有効に働く。

10.3 「小さな公園にそこまでの計算は割に合わない」

これも正しい。分析にも費用がかかる。設計者の時間、資料を集める手間、内部で説明する労力は、いずれも実在の費用である。極小の緑地の地表面をどうするかを決めるために、大規模な公園と同じ手続を踏むのは合理的でない。ここで有効なのは、決定の重さに応じて手続の深さを段階化することである。

段階化の具体的な形は三つある。第一に、金額や規模の閾値を決め、それを超える決定にだけ詳細な分析を課す。第二に、施設の類型ごとに標準的な費用の形をあらかじめ整理しておき、個別の分析では条件の違う部分だけを検討する。第三に、そもそも第6節で述べた判定——初期費用以外の費用の流れに差があるか——だけを行い、差がなければそこで止める。三つ目は誰にでもでき、しかも最も多くの誤りを防ぐ。

10.4 「初期費用には補助が付くのだから、安く見えるのは当然である」

この指摘は、手法の限界というより、手法が採る視点の問題を突いている。誰の立場から費用を数えるかによって、答えは変わる。ある自治体の財布から見た費用と、社会全体から見た費用は一致しない。整備に対する国の支援があれば、自治体の負担としての初期費用は小さくなるが、社会全体の資源の使用量は変わらない。

実務上は、両方を並べて示すのが誠実な扱いである。社会的な費用の比較で望ましい案と、当該団体の負担で望ましい案が食い違うなら、その食い違い自体が重要な情報である。食い違いを隠して一方だけを示すと、判断の根拠が制度の都合であることが見えなくなる。第3節で述べたシステム境界の設定は、範囲だけでなく、こうした主体の選択をも含んでいる。

10.5 「数字が判断を機械化してしまう」

最後の反論は、計算の結果が独り歩きし、判断が数字に委ねられてしまうという懸念である。この懸念には根拠がある。合計額という一つの数字は、そこに至るまでの数十の仮定を覆い隠す。読み手は仮定を確かめず、順位だけを受け取る。しかもその数字は、精密な見かけによって、確かさの印象を過剰に与える。

本稿がとる応答は、成果物の形を変えることである。ライフサイクルコスティングの成果物を、合計額の順位表としてではなく、前提の一覧と分岐値の一覧として作る。すなわち、割引率をいくつに置いたか、分析期間を何年としたか、更新の間隔をどう仮定したか、そしてそれぞれの仮定がどこまで動くと結論が入れ替わるかを本体とする。合計額はその付随物である。こう作られた成果物は、独り歩きしにくい。読み手が反論できる形をしているからである。

11. 磐田市の公園への示唆

本節では、これまでの枠組みを磐田市の公園に照らす。ただし本稿は、市の工事費・管理費・更新計画といった個別の数値には立ち入らない。用いるのは、公開されている園数・種別・面積・設備の記載だけである。それでもなお、公開された情報だけから、費用の計算がどのような形をとらざるをえないかについては、いくつかのことが言える。

11.1 母集団の形——100園という数と種別の広がり

当サイトが収録する磐田市の公園は100園である。種別の内訳は、街区公園51園、近隣公園14園、都市緑地10園、法対象外等6園、地区公園4園、総合公園3園、運動公園3園、風致公園3園、広場公園2園、緑道2園、墓園1園、歴史公園1園となっている。すなわち、園の数の過半は街区公園であり、都市公園法施行令等が示す標準では街区公園の標準面積は0.25ヘクタール、誘致距離は250メートルとされる小さな公園である。

この構成は、費用の計算にとって重要な含意を持つ。数の多い類型は一つ一つが小さく、個別に詳細な分析を組む合理性が乏しい。逆に数の少ない大規模な類型は、一件あたりの決定が重く、詳細な分析に見合う。第10節で述べた手続の段階化は、この母集団の形に対する自然な応答である。街区公園51園については類型ごとの標準的な費用の形を整えて共通に用い、総合公園3園や運動公園3園については個別に検討する、という組み立てが考えられる。

11.2 面積の桁差——同じ粒度では計算できない

面積の幅はさらに極端である。最も大きい竜洋海洋公園は221,722平方メートル、最も小さい二之宮東第2緑地は17平方メートルである。四桁を超える開きがある。同じ台帳に載っているという理由で、この両端に同じ計算の粒度を当てることはできない。前者は体育館・艇庫・プール・野球場・テニスコート・レストハウスといった複数の建築物と設備を抱える複合体であり、後者は単一の小さな緑地である。

複合的な施設では、ライフサイクルコストの計算単位を園に置くことに無理がある。建築物・水景・運動施設・園路・植栽はそれぞれ寿命も劣化の形も異なり、更新の周期も揃わない。第6節で述べた分析期間の統一という条件は、園を単位にした瞬間に破綻する。単位を施設あるいは部材に下げ、そのうえで園として束ねるという二段構えが要る。一方、極小の緑地では、計算の手間そのものが費用の大きさに対して不釣り合いになる。ここでは分類別の簡便な扱いが合理的である。

100園面積の幅属性
図11面積は221,722平方メートルから17平方メートルまで桁が違う。同じ計算の粒度を全園に当てることはできず、手続の段階化が要る。

11.3 稼働期間が明記された施設——運用費用の形が読める例

市の施設ガイドの記載には、運用費用の形を推し量る手がかりが含まれている場合がある。今之浦公園については、噴水を令和8年7月17日から令和8年9月23日まで運転する旨の記載がある。豊田香りの公園については、カスケードが5月から10月までの9時から17時に稼働する旨の記載がある。いずれも、その施設の運用が年間を通じてではなく、特定の期間と時間帯に集中していることを示している。

水景施設は、費用の形という点で特徴的である。稼働している期間には水と電力の使用が集中し、停止している期間にも設備の維持は必要になる。すなわち、稼働期間の長さが運用費用に直結し、その長さは技術ではなく運用上の決定によって定まる。ライフサイクルコスティングの言葉に置き換えれば、これは分析の入力のうち運用時間という項目が、意思決定によって動かせる変数だということを意味する。動かせる変数がある場合、感度分析はその変数を最初に振るべきである。

11.4 機能が同等でない選択——インクルーシブという設計

安久路公園には、施設ガイドの記載によれば、インクルーシブエリアを備えた複合遊具と、インクルーシブアイテムを備えたブランコがある。この種の設計は、第6節で述べた機能の同等性の条件を考えるうえで示唆に富む。障害の有無にかかわらず使える設計は、通常の設計と同じ機能をより高い費用で果たしているのではなく、そもそも異なる機能を果たしている。使える人の範囲が違うからである。

したがって、この二つを費用だけで比べることは、比較の設計としてすでに誤っている。比べうるのは、同じ範囲の利用者が使えるという要件を満たす複数の案のあいだにおいてである。要件の水準をどこに置くかは費用の計算の外で決まり、その決定のあとにはじめて費用の比較が意味を持つ。第10節で述べた順序——要件が先、費用が後——の具体例として、この設計は明快である。

11.5 計算の前提として、まだ手元にないもの

オープンデータの集計では、トイレのある園が69園、車いす対応のトイレのある園が34園、砂場のある園が43園、遊具のある園が64園である。駐車場については33園で有と判定されている。これらは資産の有無を示す情報であって、資産の状態や設置の時期を示す情報ではない。ライフサイクルコスティングを実際に組むには、設置年、直近の更新の時期、点検の記録という三つが要る。当サイトはそのいずれも持っていない。

当サイトの踏査はこれからであり、園ごとの実態は今後の踏査で確かめる。当サイトが担いうるのは、費用の推計ではなく、公開された属性を園ごとに整理して比較可能な形に保つところまでである。地区別の園数は、豊田28園、見付21園、中泉14園、御厨13園、竜洋13園、福田4園、豊岡3園、南部2園、向陽2園と偏りがあり、巡回や作業の組み立て方に差が出うるが、その差を費用として述べるにはまだ材料が足りない。足りないことを明示するのも、前提の開示という本稿の主張の一部である。

12. 結論と今後の課題

12.1 三つの問いへの答え

第一の問いは、初期費用だけで選択肢を比べることがなぜ誤りうるのか、というものであった。答えは、初期費用が費用の一部にすぎないからというだけではない。より本質的な理由は、費用が発生する時期の分布が選択肢ごとに異なり、その分布の違いが順位を入れ替えうるからである。したがって初期費用による比較は、選択肢のあいだで初期費用以外の費用の流れが実質的に等しいときに限って正しい。この条件を確かめないまま初期費用を並べることが、誤りの実体である。

第二の問いは、割引という操作が何を仮定しているのか、であった。割引率は、資本の機会費用、時間選好、そして不確実性という性質の異なる三つの根拠を一つの数字に畳み込んでいる。畳み込まれているために、その数字は技術的な入力に見える。しかしラムゼーの分解が示すとおり、その中には将来をどれだけ重く見るかという規範的な判断が含まれており、その部分は観測によって決まらない。割引率は、計算の入力の形をした価値判断である。

第三の問いは、割り引くことが世代のあいだで何を意味するのか、であった。割引は将来に発生する費用を軽く見せ、その恩恵は決定する現在の世代に帰属する。とりわけ撤去費用は、最後に来るがゆえに最も強く縮められ、将来の帳簿には縮められないまま現れる。公園は受益者の入れ替わりが速く、決定する人・払う人・遊ぶ人が一致しにくい。ライフサイクルコスティングはこの不一致を解消しないが、不一致がどこにあるかを可視化することはできる。

前提を書く分岐値要点
図12本稿の結論は一文に縮む。成果物は合計額の順位表ではなく、前提の一覧と、結論が入れ替わる分岐値の一覧であるべきである。

12.2 本稿が到達した一つの命題

本稿の主張を一文で述べるなら、次のようになる。ライフサイクルコスティングの成果物は合計額ではなく、前提の一覧と分岐値の一覧である。合計額は前提が変われば変わり、前提は多くの場合検証できない。これに対し、どの前提のもとで結論が入れ替わるかという情報は、現場の経験や点検の記録によって検証しうる問いに翻訳できる。手法の価値は、答えを出すことではなく、答えられる問いの形に問題を整えることにある。

この命題は、金額を一切示さない本稿の書き方そのものによって例示されている。額を伏せても、費用がどの区分にどの時期にどの形で現れるか、どの入力が結論を支配するか、どの条件で順位が入れ替わるかは論じられる。逆に言えば、額を示さなければ何も言えない議論は、額に依存しすぎている疑いがある。

12.3 本稿の限界

限界は三つある。第一に、本稿は費用の側だけを扱い、便益の測定には踏み込んでいない。費用対効果の判断には便益の側の議論が不可欠であり、そこには別の方法論と別の論争がある。第二に、本稿は実際の数値を用いた計算例を示していない。構造の提示に徹したため、具体的な条件のもとで順位がどう決まるかは読者の手に委ねられている。第三に、磐田市の公園について本稿が用いたのは公開情報だけであり、資産の状態と時期に関する情報を欠いている。

第三の限界はとりわけ大きい。設置年、更新の履歴、点検の記録という三つが揃わなければ、ライフサイクルコスティングは形式だけの計算になる。これは本稿だけの限界ではなく、公開情報から公園の費用を論じようとする試み一般が抱える制約である。当サイトの踏査はこれからであり、園ごとの実態は今後の踏査で確かめる。

12.4 今後の課題と、読者別の含意

研究上の課題としては、三つを挙げておきたい。第一に、施設の類型ごとに、費用がどの区分にどの形で現れるかの標準的な型を整理すること。第二に、割引率と分析期間について、公園という長期の資産にふさわしい設定を、上位の指針との整合を保ちながら検討すること。第三に、更新されない可能性を明示的に織り込んだ比較の枠組みを組むこと。第三の課題は、人口構成の変化が見込まれる地域では避けて通れない。

読者別の含意を述べて結びとする。行政に関わる読者にとっては、比較の資料に用いた割引率と分析期間を明記し、分岐値を併記することが、説明の質を大きく変える。地域で公園に関わる読者にとっては、合計額の大小より、その計算がどの仮定に立っているかを問うほうが、議論を先に進める。そして子育て世代の読者にとっては、いま目の前にある遊具が、造られた時点の判断と、これから来る更新の判断のあいだにあることを知っておくだけでも、公園の見え方は変わるはずである。費用の話は、突き詰めれば、誰がいつ何を引き受けるかという話である。

参考文献

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  21. 一般社団法人日本公園施設業協会「遊具の安全に関する規準 JPFA-SP-S:2014」
  22. 磐田市オープンデータ「都市公園一覧」(CC BY 3.0・出典:磐田市)
  23. 磐田市 施設ガイド(公園)

本稿は ATAWI PARK 編集部による総説的な論考であり、学会誌等の査読を経た学術論文ではありません。引用は広く知られた著作・公的資料に限り、磐田市固有の事実は当サイトのデータベースと磐田市の公開情報にもとづきます。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。

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