遊びと発達

公園でのごっこ遊び・見立て遊び:遊具が舞台になる

公開・更新 2026-08-16 文字数 約7,112字 読了目安 13分

公園に着いたのに、滑り台を滑らずに上のデッキで「出発しまーす」と言っている。ベンチに葉っぱを並べて「いらっしゃいませ」を始める。親から見ると遊具の使い方が違うように見えて、実は子どもの中でいちばん忙しい遊びが起きています。この記事では、公園でのごっこ遊び・見立て遊びが年齢でどう変わるかと、親がどこまで付き合い、どこで安全のために線を引くかを整理します。

結論から言うと、親の役割は「筋書きを与えること」ではなく、お客さんや乗客として呼ばれたら応じ、呼ばれないときは邪魔をしないことです。1〜2歳の見立ては数秒で終わり、3歳で役になり、4〜5歳で友だちと筋書きを共有し、6〜7歳で設定が複雑になります。それぞれの時期に、親の返し方が少しずつ変わります。

後半では、遊具や自然物を舞台にするときに起こりやすい困りごと(棒や石、木の実、他の子の通り道、遊具の本来と違う使い方)と、磐田市の公園で舞台になりそうな遊具の記載、当サイトが踏査で記録していく項目をまとめました。

見立て遊びとごっこ遊び:何が起きているのか

見立て遊びは、目の前の物を別の物として扱う遊びです。葉っぱをごはん、棒を電話、砂を料理に見立てます。ごっこ遊びは、そこに役と筋書きが加わったもので、自分がお母さんや運転手や店員になり、相手や場面を設定して進めます。見立てが先に始まり、ごっこがそのあとに続くと考えると、子どもがしていることが見えやすくなります。

公園がごっこ遊びの舞台として向いているのは、家より大きくて、形が決まっていないからです。複合遊具のデッキは高さがあってお城の塔にも船の甲板にもなり、滑り台は脱出口、ネットは崖、トンネルは秘密の通路になります。ベンチは店のカウンターに、木の下は家に、築山は山や火山になります。それに、葉っぱ・小枝・木の実・砂・小石という、いくらでもある小道具が落ちています。

親にとって知っておくとよいのは、ごっこ遊びの最中の子どもは、体を動かす遊びのときとは違う頭の使い方をしているということです。相手の役を想像し、順番に話し、筋書きを覚え、思い通りにならないときにどうするかを考えています。遊具を「正しく」使っていないように見えても、危険がなければ止める必要はありません。次の節から、年齢ごとにどう変わるかを見ていきます。

お城・船葉っぱ=お金ベンチ=お店せりふ
図1複合遊具・ベンチ・葉っぱが舞台と小道具になる。見立てが先、役と筋書きのごっこがあとに続く。

1〜2歳:数秒で終わる見立てが始まる

1歳を過ぎたころから、子どもは葉っぱを口元に持っていって「あむ」と食べる真似をしたり、小石をカップに入れて「どうぞ」と差し出したりします。これが見立ての始まりです。多くは数秒で終わり、次の瞬間には別のことをしています。親は差し出されたら受け取って、食べる真似をして「おいしい」と返すだけで十分です。それが数回続くと、子どもは「渡す→反応が返る」というやりとり自体を楽しむようになります。

2歳になると、見立てが少し続くようになります。砂を皿に盛って「ごはん」、スコップを持って「おそうじ」、ベンチに座って「バスに乗る」。まだ役ははっきりしていませんが、日常で見たことをその場で再現します。この時期は、親が「これは何?」と聞くより、「ごはんですか。いただきます」と乗ってあげる方が遊びが続きます。質問はテストのようになって、遊びを止めてしまうことがあります。

この年齢で気をつけたいのは、小道具の誤飲と、見立てに夢中になったときの足元です。木の実や小石は口に入る大きさのものが多く、見立ての料理として口元に運びます。「食べる真似」と「本当に口に入れる」の区別がまだ曖昧なので、3歳未満は親が手元を見ていられる距離にいます。また、砂場のふちや段差の上でごっこを始めることも多く、遊びに集中していると足元を見ずに動くので、座れる平らな場所に舞台を移してあげると安心です。

3歳:役になる。複合遊具がお城や船になる

3歳ごろから、子どもはになります。「わたしお母さんね」「ぼく運転手」。そして場所に設定がつきます。複合遊具のデッキが船で、滑り台が海への飛び込み台。ベンチがお店で、葉っぱがお金。親はここで初めて配役されます。「お母さんはお客さんね」「パパは赤ちゃんね」。断る必要はなく、言われた役をそのまま演じると、子どもは筋書きを進めます。演技はうまくなくてよく、子どもが求めているのは「乗ってくれる相手」です。

この時期の筋書きは、まだ子どもの頭の中だけにあります。親が「次はどうするの?」と聞くと固まることも多いので、子どもの言葉をそのまま繰り返して返すとうまくいきます。「出発しますよ」「出発ですね、どこへ行きますか」。答えが返ってこなければ、そのまま黙って乗客でいます。他の子が同じ遊具にいると、いつの間にか「その子も乗客」になっていることがあり、これが友だちとのごっこの入口です。

遊具を舞台にすると、本来の遊び方と重なる部分でぶつかることがあります。デッキで「船」を続けている子の横で、別の子が滑り台を待っている場面です。ここは、遊びを止めるのではなく、「船はここまで、滑り台の入口は空けておこう」と、舞台の範囲を決めてあげます。ごっこは続き、滑り台も回ります。混んでいる時間帯は、ベンチや木の下、築山など、遊具の動線から外れた場所に舞台を移す方が、親も気を使わずに済みます。

デッキ=船3歳乗客役入口は空ける
図23歳は役になり、親は配役される。舞台の範囲を決めて、滑り台の入口や通り道は空けておく。

4〜5歳:筋書きを友だちと共有する

4〜5歳になると、ごっこ遊びは友だちとの共同作業になります。「あなたが姫で、わたしが魔法使いで、あそこ(複合遊具)がお城」。設定を言葉で共有し、役を分け、筋書きが途中で変わっても続けられます。この時期は親の出番が急に減ります。呼ばれなければ、少し離れたベンチから見ていて構いません。呼ばれたときは、たいてい「悪者」か「お客さん」で、短く演じたら「じゃあお店に戻るね」と席に戻ります。

同時に、役の取り合いと仲間はずれが起こる時期でもあります。「わたしが姫がいい」「〇〇ちゃんは入れない」。子ども同士で解決できることも多いので、親はすぐに入らず、まず見ます。入るのは、手が出そうなとき、一人が泣いてしまって遊びが止まったとき、明らかに一人だけが毎回外されているときです。入るときも裁判官ではなく通訳として、「〇〇ちゃんは姫がやりたいんだって。順番にする? 姫を二人にする?」と選択肢を出す形にします。

この年齢は、遊びが動きを伴うようになります。お城から脱出する、海賊から逃げる、火山が噴火して走る。ごっこと追いかけっこが混ざり、複合遊具の上を走ったり、滑り台を逆走したりします。ここは安全の線引きが必要です。「デッキの上は歩く」「逃げるのは地面で」と、遊びの設定を活かしたまま伝えると聞き入れやすいです。「地面に降りたら走っていいよ、上は船だから揺れて危ないでしょ」のように、ごっこの世界の言葉で言う手もあります。

友だちと役を決める姫と魔法使い地面で走る
図34〜5歳は友だちと設定を共有する。役の取り合いは親が通訳になり、走るのは地面でと線を引く。

6〜7歳:設定が複雑になり、秘密基地が生まれる

小学校に入るころには、ごっこ遊びは設定が複雑になります。チーム分け、陣地、通貨(葉っぱの種類で価値が違う)、ルール(ここを踏んだらアウト)。テレビや本の世界を再現することも増え、親には筋書きが分からなくなります。この時期の親は、ほぼ観客です。呼ばれることも少なく、たまに「審判やって」と言われる程度になります。

この年齢で特徴的なのが秘密基地です。木の下、植え込みの裏、複合遊具の下の空間、築山の陰。子どもは親から見えにくい場所を好んで舞台にします。親としては見守りとの兼ね合いになりますが、公園の中で、道路や水辺から離れていて、声が届く距離であれば、少しの間見えなくても許容できることが多いです。基地の場所は先に見せてもらい、「ここに何かあったら大声で呼ぶ」を約束にします。植え込みは虫刺されや枝の突き刺しがあるので、長袖・長ズボンの日にすると安心です。

また、下の子がいる場合、この年齢の子は下の子を「赤ちゃん役」や「ペット役」に配役して遊びに入れることがあります。両方が楽しんでいれば問題ありませんが、下の子が本当は嫌がっているのに役として扱われている場面では、親が下の子の気持ちを代弁します。逆に、上の子が友だちとの複雑なごっこに集中したい日に下の子が入っていってしまうときは、下の子は親と別のごっこを始めるのが早い解決です。

親の付き合い方:客になる、脇役でいる、切り上げる

ごっこ遊びへの親の付き合い方は、年齢によって変わりますが、共通しているのは「主役にならない」ことです。親が筋書きを面白くしようとすると、子どもの遊びは親の遊びになります。もう一つは「否定しない」ことです。「魚は木に住まないよ」「お金は葉っぱじゃないよ」と現実を持ち込むと、遊びは止まります。安全に関わる場面以外は、子どもの世界のルールに従います。

年齢の目安子どものごっこの様子親の返し方避けたいこと
1〜2歳葉っぱを食べる真似、砂をごはんに。数秒で終わる受け取って「おいしい」。差し出されたら応じる「これ何?」と質問攻めにする
3歳役になる。親を配役する。デッキが船に言われた役を演じる。せりふを繰り返して返す筋書きを先回りして進める
4〜5歳友だちと設定を共有。役の取り合いも呼ばれたら短く演じる。もめたら通訳になる裁判官になって決めつける
6〜7歳設定が複雑。秘密基地。親は観客場所を確認して見守る。約束を決める世界観を否定する、のぞきすぎる

切り上げ方も年齢で変えます。ごっこ遊びは「区切り」が見えにくく、「帰るよ」と言われても子どもの中では物語の途中です。物語の言葉で終わりを作ると受け入れやすくなります。「お店、今日は閉店の時間です」「船が港に着きました。乗客のみなさん降りてください」。5分前に一度予告して、閉店の合図で終える。次に来たときに「また開店しようね」と言えば、続きがある安心感で切り替えやすくなります。

遊具・自然物を舞台にするときの安全との両立

ごっこ遊びは、遊具の使い方が本来と変わりやすい遊びです。滑り台の上のデッキに長くとどまる、滑り面を逆から登って「崖を登る」、ネットの外側にぶら下がって「海賊」になる、といった場面です。国土交通省の遊具の安全指針では、遊具の想定と違う使い方が事故につながることへの注意が示されています。「上では走らない」「投げない」「通り道を空ける」「柵の外側には出ない」の四つを、ごっこの設定に関係なく守る線として決めておきます。

小道具にも注意点があります。棒は剣や杖になりますが、振り回すと相手の目に当たります。「棒は地面につけて歩く。走るときは持たない」を約束にします。石は「お金」や「宝石」になりますが、投げると危険なので、投げるごっこ(爆弾など)が始まったら石を葉っぱに替えます。木の実は3歳未満では誤飲の危険があり、3歳以上でも口に入れないよう見ます。植物によっては触るとかぶれるものもあるため、知らない実や草をつぶして料理にする遊びは、親が種類を確かめてからにします。

服装は、ごっこ遊びに限らず遊具では、フードや紐が引っかかる危険があります。マントのつもりで上着を首に巻いたり、タオルを首に結んだりする「変身」は、遊具の上では外すよう伝えます。ごっこで遊具の下や植え込みに入る場合は、蜂の巣や毛虫がいる季節(初夏〜秋)に注意し、入る前に親が見ておきます。夏の複合遊具の上は日差しが強く、長く「船」に乗っていると暑さがこもるので、日陰の舞台に誘導する時間帯もあります。

棒は振らない木の実首に巻かない柵の外は出ない
図4ごっこの設定に関係なく守る線を四つ決める。棒・石・木の実の小道具と、首に巻いた布に注意。

友だちとの関わりの芽:「入れて」「だめ」のやりとり

公園でのごっこ遊びは、家では起こらない初対面の子との関わりを生みます。3歳ごろは、隣で同じ遊びをしているだけの「並行遊び」から始まり、いつの間にか同じ船に乗っている、という形が多いです。「入れて」と言えるようになるのは4歳前後からで、それまでは親が「一緒に乗ってもいい?」と代わりに聞いてあげて構いません。相手の子が「だめ」と言うこともあります。これは意地悪とは限らず、進行中の物語に知らない人が入る戸惑いのことも多いです。

「だめ」と言われたときの親の対応は、相手を説得することでも、自分の子に我慢させることでもなく、「じゃあ隣で別のお店を開こうか」ともう一つの舞台を作ることです。隣で面白そうにやっていると、向こうから「一緒にやろう」と来ることも珍しくありません。逆に、自分の子が「だめ」と言った側になったときは、「今は二人でやりたいんだって」と相手に伝えつつ、「あとで一緒にやる?」と選択肢を残しておきます。

顔見知りでない親同士の距離感も、ごっこ遊びでは問題になります。子ども同士が遊び始めると、親は「どこまで相手の子に声をかけていいか」に迷います。目安は、自分の子に言うのと同じ調子で、安全に関わることだけを短く言う、です。「上は歩こうね」「棒は下に向けようね」程度なら、たいていの親は気にしません。相手の子を叱る、遊び方を指図する、は避けます。詳しくは、公園でのほかの親子との関わりの記事も参考にしてください。

入れてだめ?隣で開店お店ごっこ
図5「だめ」と言われたら説得せず、隣にもう一つ舞台を作る。向こうから来ることも多い。

磐田市の公園:舞台になりそうな遊具の記載と踏査項目

磐田市のオープンデータでは、94園のうち遊具有が64園です。ごっこ遊びの舞台になりやすいのは複合遊具のデッキやトンネル、築山、形のある遊具です。市の施設ガイドの記載を見ると、竜洋地区の竜洋川袋公園(街区公園)には「築山、ジャンボ滑り台、複合遊具(滑り台、リングジム、吊り橋チェーン等)」、福田地区の福田ふるさと公園(街区公園)には「築山、トイレ」の記載があり、築山は山や火山、基地の舞台になりやすい地形です。

乗り物の形をした遊具も、ごっこの入口になります。中泉地区の国府台西公園(街区公園)には「飛行機型ジャングルジム」、竜洋地区の竜洋袖浦公園(近隣公園)には「ジェット飛行機」の記載があります。トンネル状の滑り台やネットトンネルは、御厨地区の西山第1公園、豊田地区の豊田本郷公園・豊田東原梅ノ木公園・豊田ラブリバー公園などの複合遊具の記載にあります。見付地区の今之浦公園(近隣公園)には「屋根付広場」「芝生広場」の記載があり、屋根の下や芝生は道具を広げるお店ごっこに向いた場所です。

これらは市の施設ガイドの記載であり、遊具の大きさ、デッキの広さ、木の下や植え込みの様子、日陰の場所は当サイトの現地調査待ちの項目です。当サイトの踏査では、ごっこ遊びの視点から、座って道具を広げられる平らな場所、木陰やベンチの位置、複合遊具の下や築山の陰など子どもが「基地」にしそうな場所、遊具の動線から外れて長く遊べる場所を園ごとに記録していく予定です。お子さんがどの園のどこを「お城」にしていたか、教えていただけるとうれしいです。

よくある質問

遊具を本来と違う使い方(滑り台の上でお店など)で遊んでいます。止めるべきですか?

危険がなければ止める必要はありません。ただし「上では走らない」「投げない」「通り道を空ける」「柵の外側には出ない」の四つは、ごっこの設定に関係なく守る線にします。滑り台の入口を待つ子がいるときは、舞台の範囲を決めて入口を空けるか、ベンチや木の下に舞台を移すと両方が続きます。

「お客さんになって」と何度も呼ばれます。どこまで付き合えばいいですか?

3歳前後は親が最初の相手なので、呼ばれたら短くでも応じると遊びが続きます。ずっと付き合う必要はなく、「お店に戻るね」「次のお客さんが来たら呼んでね」と一区切りをつけて構いません。4〜5歳になると友だちが相手になって呼ばれる回数は減ります。演技はうまくなくてよく、乗ってくれる相手であることが大切です。

うちの子が「入れて」と言えません。親が入れてもらうよう頼んでもいいですか?

3歳ごろまでは親が「一緒に乗ってもいい?」と代わりに聞いて構いません。「だめ」と言われたら説得せず、隣で別のお店や船を始めると、向こうから来ることも多いです。4歳前後から自分で言えるようになる子が増えますが、個人差が大きいので、言えた日は言葉にしてほめてあげてください。

棒や石を小道具にしています。どこまで許していいですか?

棒は地面につけて歩き、走るときは持たない、人に向けない、を約束にします。石は「お金」や「宝石」なら構いませんが、投げる遊びが始まったら葉っぱに替えます。木の実は3歳未満は誤飲の危険があるので手元を見て、知らない実や草をつぶして料理にする遊びは、親が種類を確かめてからにします。

磐田市内でごっこ遊びに向いた公園はありますか?

市の施設ガイドの記載から手がかりになるのは、築山の記載がある竜洋川袋公園・福田ふるさと公園、飛行機型の遊具の記載がある国府台西公園・竜洋袖浦公園、屋根付広場や芝生広場の記載がある今之浦公園などです。ただし記載の段階で、実際の広さや木陰の様子は当サイトの現地調査待ちです。

出典・参考

本記事は一般的な情報と磐田市の公開情報にもとづく読みものです。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。

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