安全・リスク

公園にいるときに地震が起きたら:揺れ・津波・避難場所としての公園

公開・更新 2026-08-16 文字数 約6,735字 読了目安 12分

地震はいつ起きるか分かりません。家や保育園にいるときの備えは考えていても、「公園で遊んでいる最中に揺れたらどうするか」は、意外と話題になりません。この記事では、公園という場所の特徴を踏まえて、揺れている間・収まった直後・その後の避難の三つの段階で、子ども連れの親がとる行動を整理します。

結論から言うと、公園は建物の中と比べて上から落ちてくる物が少なく、地震のときには比較的安全な場所です。揺れている間はその場でしゃがんで頭を守り、遊具・木・電柱・塀から離れます。揺れが収まったら遊具は使わず、けがの確認と情報の確認をします。海や川に近い公園では、強い揺れや長い揺れのあとは津波を考えて、警報を待たずに高い場所へ移動します。

磐田市の公園の中には、指定緊急避難場所になっている園があります。どの園がそうかは、当サイトの条件別さくいん「避難」と、市のハザードマップで確認できます。ただし避難場所の指定は災害の種類ごとに違うので、その点も含めてお伝えします。ふだん遊んでいる公園を、家族の集合場所として決めておく方法も紹介します。

公園は地震のとき比較的安全な場所:理由と例外

地震で人がけがをする大きな理由は、家具の転倒や、建物のガラス・外壁・看板などの落下物とされています。公園にはこれらがほとんどなく、頭の上に何もない開けた場所が広がっています。そのため、公園で遊んでいる最中に揺れたときは、慌てて建物の中や道路へ飛び出すより、その場にとどまる方が安全と考えられます。子どもが遊具から離れた場所にいるなら、そこでしゃがませて頭を守るのが基本です。

ただし、公園にも気をつけたい物はあります。高い遊具の上にいるときの転落、大きな木の枝や倒木、電柱や街灯、公園の周りのブロック塀、トイレなどの建物の外壁、水辺のそばです。これらは「公園は安全」の例外です。揺れている間はこうした物に近づかず、収まってから離れることを覚えておきます。園によっては地面が液状化しやすい場所や、斜面のある場所もあり、市のハザードマップで自宅や公園の周りの想定を一度見ておくと、判断の材料になります。

地震開けた場所比較的安全木や遊具は離れる
図1頭の上に何もない開けた場所は、揺れのときに比較的安全。近づかないのは遊具・木・電柱・塀。

揺れている間にすること:しゃがむ・頭を守る・待つ

揺れを感じたら、まず自分がしゃがんで、子どもを引き寄せることです。立ったままだと大人でも転びます。抱っこ紐やベビーカーの子は、ベビーカーごと転倒するおそれがあるので、揺れが強ければ抱き上げて一緒にしゃがみます。腕や荷物で子どもの頭を覆い、揺れが収まるまでその場で待ちます。周りに走り出そうとする子がいたら、「しゃがんで」と声をかけます。

遊具の上にいる子は、揺れの最中に無理に降ろそうとすると、かえって落ちることがあります。手すりや柵につかまって低い姿勢で待つよう声をかけ、揺れが収まってから降ろします。滑り台の途中やブランコに乗っている子も同じで、親は落下に備えて下で構えつつ、揺れが収まるのを待ちます。低い遊具にいる子なら、その場でしゃがませるか、抱き下ろして地面でしゃがみます。

  • 自分がしゃがみ、子どもを引き寄せて頭を覆う
  • ベビーカーの子は抱き上げて一緒にしゃがむ
  • 遊具の上の子は「つかまって、低く」。降ろすのは収まってから
  • 木・電柱・街灯・塀・建物の壁・水辺から離れる
  • 揺れが収まるまでその場で待つ。走らない
揺れしゃがんで抱える引き寄せる走らない
図2揺れの間はしゃがんで子どもを抱え、頭を守る。遊具の上の子は無理に降ろさない。

揺れが収まったら:遊具から離れ、けがと情報を確認する

揺れが収まったら、まず子どものけがを確認します。落ちた・ぶつかったところがないか、泣き方がいつもと違わないか、を見ます。次に、遊具からは離れて、その日は使いません。地震のあとの遊具は、見た目に異常がなくても基礎や接合部が傷んでいる可能性があり、管理者の点検が済むまで使わないのが一般的です。国土交通省の指針でも、遊具は日常点検と定期点検で安全を確かめる考え方が示されており、大きな地震のあとは管理者が点検を行うのが一般的です。

続いて、周りの状況を見ます。倒れかけた木や電柱、ひび割れた地面、傾いた街灯、トイレの建物の損傷などがないかを確かめ、危ないものからは距離を取ります。スマートフォンで震度や津波の情報を確認し、余震に備えます。余震で再び揺れることは珍しくないので、しばらくは頭の上に何もない場所を選んで待ちます。家族や保育園と連絡がつかない場合に備えて、災害用伝言ダイヤル(171)の使い方は、平時に一度試しておくと安心です。

帰宅するかどうかは、揺れの大きさと周りの状況で判断します。小さな揺れなら、遊具を使わずに落ち着いてから帰ります。強い揺れだった場合、道路のブロック塀の倒壊やガラスの落下、信号の停止など、公園の外の方が危ないことがあります。急いで帰るより、公園という開けた場所で情報を集めてから動く方が安全な場合も多いです。子どもには「地震のあとは、まず落ち着いて待つ」と伝えておきます。

津波:海や川に近い公園では「揺れたら高いところへ」

磐田市はハザードマップや「災害リスクを知る」のページで、地震や津波などの災害リスク情報を公表しています。市内には、竜洋海洋公園のように名前に海洋と付く園や、竜洋西堀河川敷公園・豊田天竜川わんぱく広場・天竜川ラブリバー公園のように河川敷や天竜川と付く園があります。名前は手がかりの一つにすぎず、その園が浸水想定区域に入るかどうかは市のハザードマップで確かめる必要がありますが、海や川に近い公園で遊ぶときは、揺れのあとの行動をあらかじめ考えておくのが基本です。

津波の基本は、強い揺れ、または弱くても長く続く揺れを感じたら、警報を待たずに海や川から離れて高い場所へ移動することです。津波は川をさかのぼることもあるとされ、海が見えない場所でも川に近ければ同じ考え方をします。避難は原則として徒歩とされていますが、小さい子を連れて遠くまで歩くのは現実的でない場面もあるので、公園から最も近い高台や津波避難のための建物がどこか、ふだんから確認しておきます。市のハザードマップには浸水の想定と避難に関する情報が載っています。

ここで注意したいのは、公園が「指定緊急避難場所」になっていても、それが津波に対する指定とは限らないことです。避難場所は災害の種類ごとに指定されており、地震(火災の延焼など)に対しては指定されていても、津波の浸水想定区域内にある公園は、ふつう津波の避難場所には指定されません。海や川に近い公園で「ここは避難場所だから大丈夫」と思い込まず、看板の災害種別を確かめる習慣をつけておくと安心です。この点は次の節でくわしく説明します。

津波川沿いも警報を待たず高い場所へ
図3海や川に近い公園では、強い揺れ・長い揺れのあと、警報を待たずに高い場所へ移動する。

年齢別:0〜7歳を連れての行動の違い

地震のときの動きは、子どもの年齢で変わります。0〜1歳は親が抱えて動けるので、揺れの間は抱き上げてしゃがみ、収まったら抱っこ紐に入れて両手を空けるのが基本です。ベビーカーは避難のときに段差やがれきで動きにくくなることがあるので、抱っこ紐を車や荷物に入れておくと安心です。2〜3歳は、揺れに驚いてパニックになりやすく、走り出す子もいます。まず親のところに引き寄せて、抱きしめて落ち着かせます。

年齢揺れの間収まったあと
0〜1歳抱き上げてしゃがみ、頭を覆う抱っこ紐で両手を空ける。ベビーカーは置いていける準備
2〜3歳引き寄せて抱きしめる。走らせない手をつなぐか抱っこ。遊具に戻りたがっても使わない
4〜5歳「しゃがんで頭」を自分でできるように親のそばを離れない。避難は手をつないで歩く
6〜7歳遊具の上なら「つかまって低く」を自分で判断集合場所へ自分で来る練習。荷物は自分で持てる範囲で

4〜5歳は、「揺れたらしゃがんで頭を守る」を保育園や幼稚園の避難訓練で経験していることが多く、公園でも同じ動きができます。「保育園でやったのと同じだよ」と伝えると、落ち着きやすいです。6〜7歳は、遊具の上にいるときに自分で判断して低い姿勢をとる、揺れのあとに集合場所へ自分で来る、といったことができるようになります。きょうだいで来ているときは、上の子に下の子を任せず、親が下の子を抱えて上の子には「手をつないで」と役割を明確にします。

指定緊急避難場所としての公園:災害の種類ごとの指定と避難所との違い

公園の中には、市が指定緊急避難場所に指定している園があります。指定緊急避難場所は、災害が迫っているとき、または発生した直後に、命を守るために一時的に逃げ込む場所です。地震のあとに火災が広がったときなどに、開けた公園が避難先になります。一方で指定避難所は、住まいに戻れない人が一定期間滞在する施設で、学校の体育館や公民館などが多く、公園とは役割が違います。

大切なのは、指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定されることです。同じ公園でも、地震には指定されていて、津波や洪水には指定されていない、ということがあります。海や川に近い公園では特にこの違いが重要で、前の節で触れたとおり、津波のときにその公園にとどまることが正しいとは限りません。避難場所の看板には対象となる災害の種別が示されているので、ふだん行く公園の看板を一度見ておくと、いざというときに迷いません。

磐田市の公園のうち、どの園が指定緊急避難場所になっているかは、市のハザードマップや「災害リスクを知る」のページで確認でき、当サイトでも条件別さくいん「避難」にまとめています。当サイトの一覧は市の情報をもとにしたもので、災害の種別や最新の指定状況は市の情報を優先してください。踏査では、園ごとの避難場所の看板の有無と記載内容、園の出入口の位置を記録していく予定です。

緊急避難場所看板を見る災害の種類ごとさくいんで確認
図4避難場所の指定は災害の種類ごと。ふだんの公園の看板で、地震・津波・洪水のどれに対応か見ておく。

家族の集合場所として公園を決めておく

地震のあと、家族がばらばらの場所にいて連絡がつかない、という状況は十分に起こり得ます。そのとき役に立つのが、「連絡がつかなければ、ここに集まる」と決めた集合場所です。ふだん子どもと通っている公園は、家族全員が場所を知っていて、開けていて、家からの道も分かっているので、集合場所として向いています。指定緊急避難場所になっている園なら、なおよいですが、津波の想定区域内なら別の場所を選びます。

集合場所を決めるときは、次の点を家族で確かめておきます。家・職場・保育園から歩いて行けるか、海や川から離れているか、公園のどこで待つか(入口の看板の前、時計の下など目印になる場所)、そして集合場所に行けないときの連絡手段です。連絡手段は、災害用伝言ダイヤル(171)や携帯電話会社の災害用伝言板が知られており、家族で一度使い方を試しておくと、いざというときに操作で迷いません。

  • 家族全員が場所を知っていて、歩いて行ける公園にする
  • 海や川から離れているか、津波・洪水の想定区域外かを確認する
  • 公園の中の「どこで待つか」を目印で決める
  • 行けないときの連絡手段(171・災害用伝言板)を試しておく
  • 祖父母や、送迎を頼む人にも同じ内容を共有する

祖父母が子どもを見ている時間帯に地震が起きることもあります。集合場所と連絡手段は、紙に書いて渡し、冷蔵庫など目につく場所に貼ってもらうと共有しやすいです。子ども自身にも、4〜5歳ごろから「地震のあとに家族とはぐれたら、○○公園の看板の前」と、公園に行くたびに一緒に指さして確認しておくと、場所の記憶が定着します。

ふだんの公園遊びでできる備え

地震への備えは、特別な訓練より、ふだんの公園遊びの中に少しずつ混ぜる方が続きます。園に着いたときに出入口の位置と、避難場所の看板があるかを見る。遊具の位置から「揺れたらどこでしゃがむか」を一度考える。海や川に近い園なら「高い場所はどっちか」を確認する。この三つは、どれも数十秒で済みます。親がやっているうちに、子どもも「地震のときはここ」と自然に覚えていきます。

子どもと話すときは、怖がらせないことが大切です。「地震が来たら、しゃがんでダンゴムシみたいに丸くなるんだよ」「揺れが終わったら、ママ・パパのところに来てね」と、遊びの延長で伝えます。保育園や幼稚園の避難訓練で覚えた動きがあれば、それを公園でも同じようにやってみます。定期的に、遊びの合間に「地震ごっこ」として一度しゃがむだけでも、体が覚えます。

持ち物としては、抱っこ紐、飲み水、小さなライト、モバイルバッテリー、子どもの名前と連絡先を書いたカードを、ふだんの公園バッグに入れておくと、地震に限らず役に立ちます。車で来ている日は、車が休む場所や情報を得る場所になりますが、津波の避難で車を使うかどうかは地域の状況によるとされています。ふだんから、車を置いてでも高い場所へ歩く道を知っておくのが基本です。

家族で看板を見る怖がらせず話すふだんの持ち物
図5着いたら出入口と看板を見て、怖がらせずに「揺れたらここでしゃがむ」を一緒に確認する。

磐田市の情報と当サイトの記録

地震・津波・洪水などの災害リスクについて、磐田市はハザードマップと「災害リスクを知る」のページで情報を公表しています。公園に行く前に、一度、自宅とよく行く公園がどのような想定区域にあるかを確認しておくと、この記事で触れた「海や川に近い公園」「指定緊急避難場所」の判断が具体的になります。避難場所の指定は変わることがあるので、市の最新の情報を優先してください。

当サイトでは、条件別さくいん「避難」に、指定緊急避難場所になっている公園をまとめています。踏査では、園ごとの避難場所の看板の有無と記載されている災害の種別、出入口の位置と数、周りに高い建物や高台があるか、を記録して、この記事と各園のページに反映していく予定です。遊具の破損など、地震のあとに気づいた公園の異常は、公園を管理する磐田市 都市整備課(電話 0538-37-4806)に伝えると、点検につながります。

地震は起きてほしくないものですが、備えは「ふだんの公園を、家族が集まれる場所として知っておく」というところから始められます。ふだん行っている公園で気づいたこと(看板の場所、高い場所への道、揺れのときに離れたい物)があれば、情報提供もお待ちしています。

よくある質問

公園で地震が起きたら、すぐに家に帰った方がいいですか?

公園は落ちてくる物が少なく、揺れの間もそのあとも比較的安全な場所です。急いで帰るより、揺れが収まったら遊具から離れ、けがと周りの状況、震度や津波の情報を確認してから動く方が安全な場合が多いです。公園の外では塀の倒壊やガラスの落下があり得ます。ただし海や川に近い公園では、強い揺れのあとは高い場所への移動を優先してください。

揺れているとき、遊具の上の子はすぐ降ろした方がいいですか?

揺れの最中に無理に降ろそうとすると、かえって落ちることがあります。「手すりにつかまって、低い姿勢で」と声をかけ、親は下で落下に備えて構え、揺れが収まってから降ろすのが基本です。低い遊具ならその場でしゃがませるか、抱き下ろして地面でしゃがみます。

避難場所になっている公園なら、津波のときもそこにいれば安全ですか?

指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定されており、地震には指定されていても、津波には指定されていない場合があります。海や川に近い公園では、看板の災害種別を確認し、津波の想定区域内なら「揺れたら高い場所へ」を優先してください。市のハザードマップで事前に確認しておくと安心です。

家族の集合場所として公園を選ぶときのポイントは?

家族全員が場所を知っていて歩いて行けること、海や川から離れていて津波・洪水の想定区域外であること、公園のどこで待つかを目印で決めておくことです。行けないときの連絡手段として、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板の使い方を一度試し、祖父母や送迎を頼む人とも共有しておきます。

磐田市内で避難場所になっている公園はどこで分かりますか?

市のハザードマップと「災害リスクを知る」のページで確認できます。当サイトでも条件別さくいん「避難」に、指定緊急避難場所になっている公園をまとめています。災害の種別や最新の指定状況は市の情報を優先してください。看板の有無や記載内容は、当サイトの踏査で園ごとに記録していく予定です。

出典・参考

本記事は一般的な情報と磐田市の公開情報にもとづく読みものです。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。

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