ボール遊びの段階:転がす→投げる→蹴る→受ける
ボールは公園に持っていく道具の中でいちばん手軽で、いちばん長く使えるものです。ただ、1歳の子にボールを投げても受け取れませんし、3歳の子にサッカーのルールを教えても続きません。ボール遊びには転がす→投げる→蹴る→受けるという育ちの順番があり、その順に沿った遊び方をすると、親も子も楽しくなります。
結論から言うと、「受ける」がいちばん最後です。飛んでくるものを目で追い、来る場所を予測して、手をタイミングよく閉じる、という複数の動きが必要だからです。0〜1歳は転がす、2歳は投げる、3〜4歳は蹴ると両手で受ける、5歳以降で片手やワンバウンド、ルールのある遊びへ、というのが大まかな流れです。年齢はあくまで目安で、段階で見ます。
後半では、ボールの大きさとやわらかさの選び方、公園によってはボール遊びが禁止・制限されていることへの注意、親子でできる遊びのメニュー、磐田市の市の施設ガイドにサッカーゴール・バスケットゴールの記載がある園をまとめました。どの園でボール遊びができるかは、当サイトの現地調査待ちの項目です。
ボール遊びは「転がす→投げる→蹴る→受ける」の順に育つ
ボールを使う動きは、難しさの順に並べると転がす、投げる、蹴る、受けるになります。転がすのは、手を離すだけでボールが動くので、座れる時期からできます。投げるのは、腕を振って手を離すタイミングが必要で、最初は下手投げ、次に上手投げになります。蹴るのは、片足で立ってもう片方の足を振る動きで、バランスが要ります。受けるのは、飛んでくるボールを目で追い、落ちる場所を予測して、手を閉じるタイミングを合わせる、といくつもの動きが重なるので、いちばん時間がかかります。
この順番を知っていると、親の遊び方が変わります。1歳の子に「投げてごらん」と言っても、まだ手を離すタイミングがつかめません。転がして追いかける遊びなら、笑って何度もやります。3歳の子に速いボールを投げると怖がりますが、大きくてやわらかいボールを胸の前にふわっと投げれば、抱えるように受け取れます。子どもがいま「できる段階」の一つ先を、成功しやすい形で出すのが親の役割です。
もう一つ、ボール遊びは公園の中で「他の人に迷惑がかかりやすい遊び」でもあります。転がったボールが砂場に入る、投げたボールがブランコの子に当たる、蹴ったボールが道路に出て子どもが追いかける。段階が上がるほどボールは速く遠くへ飛ぶので、場所選びの重みも増します。この記事では、年齢ごとの段階のあとに、ボールの選び方と場所の考え方をまとめます。
0〜1歳:転がす・追いかける・持って歩く
おすわりが安定したころから、ボール遊びは始められます。親が子どもの正面に座り、大きめのやわらかいボールをゆっくり転がします。子どもはボールに手を伸ばし、押し返したり、抱えたりします。転がすといっても、まだ狙って転がすことはできません。ボールが動く→自分の手で触ると止まる→押すとまた動く、というやりとりが面白い時期です。ハイハイの子は、転がるボールを追いかけること自体が遊びになります。
歩き始めると、ボールを持って歩く、しゃがんで拾う、落とす、を繰り返します。この「拾う」がけっこう難しく、しゃがんでバランスを取り、両手でつかんで立ち上がる、という全身の動きになります。芝生の上なら転んでも痛くないので、この時期のボール遊びは芝生や土の柔らかい場所が向いています。ボールを蹴る形になることもありますが、狙って蹴っているのではなく、歩いていて足に当たっているだけのことが多いです。
この年齢で注意したいのは、ボールを追いかけてどこまでも行ってしまうことです。転がったボールが道路の方へ行けば、子どもも道路の方へ行きます。転がす方向は道路や水辺、遊具と反対に決めて、親は道路側に座ります。また、この時期は何でも口に入れるので、ボールも口に入れます。表面が拭ける素材のもの、小さな部品や剥がれる塗装がないものを選び、帰ったら拭くようにします。
- 正面に座って、大きくてやわらかいボールをゆっくり転がす
- 芝生や土の柔らかい場所で。拾う・持って歩くも遊びのうち
- 転がす方向は道路・水辺・遊具と反対に。親は道路側に
- 口に入れる時期。拭ける素材で、剥がれる部品のないものを
2歳:投げる(下手投げから上手投げへ)と、蹴るの始まり
2歳ごろになると、ボールを投げるようになります。最初は両手で持って体の前から放り出す形で、次に片手の下手投げ、そして頭の上から振り下ろす上手投げへと進みます。狙った方向には飛ばず、後ろに飛んだり真上に上がったりしますが、それで構いません。親は近くにしゃがんで、「こっちに投げて」と両手を大きく広げて的になります。届かなくても「来た来た」と拾いに行くと、子どもは何度でも投げます。
蹴る動きもこの時期に始まりますが、片足で立つ時間が短いので、蹴ろうとして転ぶ、空振りする、ボールの上に足を乗せて転ぶ、が多いです。最初は止まっているボールを歩きながら蹴る形で十分です。親がボールを子どもの前にそっと置いて、子どもがそこへ歩いていって足で押し出す。これを繰り返すうちに、立ち止まって振り抜く形になります。転ぶことが多いので、地面はやはり芝生か柔らかい土が向きます。
投げるようになると、投げてはいけないものも投げます。石、砂、おもちゃ、砂場のスコップ。ボールで「投げる楽しさ」を満たしてあげると、他の物を投げる場面が減ることがあります。同時に、「ボールは人に向けて投げない」を最初の約束にします。的は親の手か、壁か、地面に置いたバケツにします。他の子や、ブランコ・滑り台のそばに向けて投げ始めたら、いったん止めて場所を変えます。
3〜4歳:蹴る・止める・両手で受ける
3〜4歳になると、片足で立てる時間が長くなり、ボールを狙って蹴ることができるようになります。転がってきたボールを足で止める、止めたボールを蹴り返す、というやりとりが成り立ち始めるので、親と向かい合ってのパスが遊びになります。距離は最初は数歩分で、うまく返ってくるようになったら少しずつ離れます。ゴールが好きな年齢なので、木と木の間、バッグ二つの間などを「ゴール」に見立てると、蹴る遊びが長く続きます。
受けるのも、この時期に両手で抱えるようにできるようになります。大きくてやわらかいボールを、子どもの胸の高さに、山なりにふわっと投げます。速いボールや顔の高さのボールは怖がるので、最初は距離を近く、ボールは遅く、を守ります。うまく取れないときは、距離を縮めるか、ワンバウンドさせて胸に届くようにします。取れたら大げさに喜ぶ、取れなくても「惜しい」で終わる。この年齢の受ける練習は、失敗の方が多くて当たり前です。
| 年齢の目安 | できるようになること | 親子の遊び | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 0〜1歳 | 転がす、追いかける、持って歩く、拾う | 正面に座って転がし合い | 転がる先が道路・水辺にならないように |
| 2歳 | 下手投げ→上手投げ、止まったボールを歩きながら蹴る | 親が両手で的になる、置いたボールを蹴る | 人・遊具に向けて投げない。転ぶので柔らかい地面 |
| 3〜4歳 | 狙って蹴る、足で止める、両手で受ける | 向かい合ってパス、山なりのキャッチ、的あて | 速いボール・顔の高さは怖がる。距離は近く |
| 5〜7歳 | 片手キャッチ、ワンバウンド、ドリブル、ルールのある遊び | キャッチボール、シュート、ドッジ的な遊び | 飛距離が伸びる。場所と方向、周りの人 |
この年齢は、友だちとボールを取り合う場面も出てきます。まだ「パスを回す」という発想はなく、ボールを持った子がずっと持っています。順番にゴールに蹴る、投げて壁に当てる番を交代する、といった「順番のある遊び」にすると、取り合いが減ります。親が「次は〇〇ちゃんの番」と回すだけで、3〜4歳のボール遊びは何人かで成り立つようになります。
5〜7歳:片手・ワンバウンド・ドリブル、ルールのある遊びへ
5歳を過ぎると、受ける動きが一気に育ちます。片手で取る、ワンバウンドしたボールを取る、走りながら取る。投げる方も、狙ったところに、ある程度の速さで投げられるようになり、いわゆるキャッチボールが成り立ちます。蹴る方は、走りながら蹴る、ドリブルで運ぶ、止めてから狙って蹴る、といった動きが加わり、簡単なミニゲームができるようになります。この時期になると、親は相手というより「一緒に遊ぶ一人」になります。
ルールのある遊びも入ってきます。中当て(ドッジボールの簡易版)、シュートを順番に打って入った数を競う、キャッチボールで落とさずに何回続くかを数える。数える・競う・勝ち負けがあることが面白くなる年齢です。同時に、負けると怒る、当てられて泣く、といった場面も増えます。この年齢では、ルールを子ども同士で決めさせて、親は「決めたルールで最後までやる」ことだけを支えると、遊びが自立していきます。
気をつけたいのは、この年齢からボールの飛距離と速さが大きく伸びることです。蹴ったボールが公園を横切って道路に出る、投げたボールが小さい子に当たる、といった場面が起こりやすくなります。場所選びが本格的に重要になる年齢で、遊具や砂場から離れた広い場所か、ゴールやフェンスのある場所を選び、道路に面した方向には蹴らない・投げない、を約束にします。硬めのボールを使うようになったら、小さい子が近くにいるときは使わない判断も必要です。
ボールの大きさ・やわらかさ・素材の選び方
ボール選びの原則は、小さい子ほど大きくてやわらかいボールです。大きいと両手で抱えられ、当たっても痛くなく、転がる速さも遅いので、0〜3歳は空気の少し抜けた大きめのゴムボールやビニールボール、布や発泡素材のボールが向きます。空気を少し抜いておくと、弾みが小さくなって追いかけやすく、当たったときの痛さも減ります。
3〜4歳になったら、片手でつかめる大きさのやわらかいボールも加えます。上手投げが安定し、的あてが面白くなるからです。5歳以降は、蹴るならサッカーの子ども用(小さめの号数)、投げるなら柔らかめのゴムボール、と用途で分けても構いません。ただし、公園では硬式や重いボールは他の人に当たったときの危険が大きいので、公園で使うのはやわらかいボールまでと考えておくと迷いません。
素材と持ち運びも見ておきます。表面が布のボールは、濡れた芝で使うと重くなり、乾きにくいです。ビニールボールは軽くて風に流され、道路に出やすいので、風の日は使いません。ゴムボールは砂がつくと滑ります。空気を入れる口が出ているボールは、蹴ったときにその部分が足に当たると痛いので、口が引っ込むタイプを選びます。名前を書いておくと、他の子のボールと混ざったときにすぐ分かります。
場所とマナー:禁止・条件つきの園、飛んでいく先を先に見る
公園によっては、ボール遊びが禁止、または条件つきのことがあります。看板に「ボール遊び禁止」「硬いボールは禁止」「小さなお子様のボール遊びに限る」などと書かれている場合で、住宅に近い、道路に面している、狭い、といった理由が多いです。着いたら入口や掲示板の看板を見て、禁止なら別の遊びに切り替えます。看板の読み方や、なぜ禁止されるかは、ボール遊びの看板の記事に詳しくまとめています。磐田市内のどの園が禁止・条件つきかは、当サイトの現地調査待ちの項目です。
禁止でない園でも、場所の選び方があります。ボールが飛んでいく先を先に見ます。道路、駐車場、水辺、砂場、ブランコ、ベンチで休んでいる人、レジャーシートを広げている家族。転がっても投げても、これらに向かわない方向で遊びます。ゴールやフェンス、土手のような「ボールが止まる場所」を背にして蹴ると、ボールが遠くへ行きません。子どもは飛んでいったボールを追いかけて走るので、飛んでいく先が道路なら、子どもも道路に出ます。
他の人への配慮も含めて、公園でのボール遊びの約束を三つにまとめると、「人に向けない」「道路の方へ蹴らない・投げない」「ボールが他の人のところへ行ったら、親が謝りに行く」です。三つ目は、子どもが小さいうちは親の役目で、5歳を過ぎたら子どもが自分で「すみません」と取りに行けるように練習します。芝生で寝転んでいる人、乳児連れの家族の近くでは、ボール遊び自体をやめて場所を移す判断も必要です。
親子でできる遊びのメニュー:年齢別・人数別
ボール一つでできる親子の遊びを、年齢の目安と一緒に並べます。共通の考え方は「相手の胸に届く距離」から始めて、うまくいったら離れ、うまくいかなければ縮めることです。距離を縮めるのは後退ではなく、成功の回数を増やす調整です。子どもは成功の回数で遊びが続くかどうかが決まります。
- 転がし合い(0〜1歳〜):向かい合って座り、転がして返す。足を開いて座ると自分の足がゴールになる
- まてまてボール(1〜2歳):親が転がしたボールを子どもが追いかけて拾う。方向は道路と反対に
- 的あて(2歳〜):親の両手、バケツ、木の幹を的にして投げる。当たったら大げさに
- 山なりキャッチ(3〜4歳):胸の高さにふわっと。取れなければワンバウンドや距離を縮める
- ゴール蹴り(3歳〜):バッグ二つの間をゴールにして、順番に蹴る。順番があると取り合いが減る
- 何回続くか(5歳〜):キャッチボールやパスで落とさずに数える。記録を更新するのが面白い年齢
人数が増えたときは、順番のある遊びにします。「順番にシュート」「順番に的あて」「輪になってパス」。ボールが一つしかないと、持った子が持ち続けるので、順番を回すだけで揉めごとが減ります。年齢差のあるきょうだいや友だちが混ざるときは、上の子は片手、下の子は両手、上の子は遠く、下の子は近く、と一人ずつ条件を変えると、同じ遊びに一緒に入れます。上の子が「ずるい」と言うなら、「〇〇ちゃんは2歳だから」と理由を短く伝えれば、たいてい納得します。
祖父母が孫と遊ぶ場合は、転がし合いと的あてが向いています。座ったままでき、走らずに済み、投げるのは孫の側だからです。ボールを拾いに行く回数が多いので、拾うのは孫の役目にする、親が転がして祖父母は受けるだけ、という分担にすると、祖父母の負担が減ります。祖父母と孫の公園については別の記事にもまとめています。
磐田市の公園:ゴールの記載がある園と、踏査で記録する項目
磐田市の市の施設ガイドで、園内施設に「サッカーゴール」の記載がある園として、見付地区の水堀公園(近隣公園・11,174㎡)、御厨地区の安久路公園(地区公園・32,001㎡)、豊田地区の豊田富里農村公園(近隣公園・13,382㎡)、竜洋地区の竜洋十束公園(近隣公園・12,936㎡)があります。水堀公園と竜洋十束公園には「多目的広場」の記載もあります。ゴールが置かれているということは、蹴る遊びが想定されている場所と考えられますが、団体利用の時間や、小さい子が使える時間帯は記載からは分かりません。
「バスケットゴール」の記載がある園は、御厨地区の兎山公園、豊田地区の豊田富里農村公園・豊田原新田公園・豊田東原梅ノ木公園・豊田本郷公園・豊田ラブリバー公園、竜洋地区の竜洋十束公園、南部地区の浜部農村公園などです。バスケットゴールは、小学生以上の子が集まりやすい場所なので、小さい子とボール遊びをするときは、ゴールの近くは避けて、離れた場所で転がし合いや的あてをする方が安心です。
一方で、ゴールの記載がない街区公園でも、やわらかいボールで転がしたり、親と近い距離で投げ合ったりする程度なら、看板で禁止されていない限りできることが多いです。ただし、それぞれの園でボール遊びが禁止か、条件つきか、ゴールが自由に使えるか、広場が団体利用で埋まる曜日があるかは、当サイトの現地調査待ちの項目です。踏査では、ボール遊びの可否の看板、ゴールの有無と状態、ボールが飛んでいく先(道路・水辺・住宅との距離)、地面の材質を園ごとに記録していく予定です。
よくある質問
何歳からボール遊びができますか?
おすわりが安定すれば、正面に座って転がし合うところから始められます。歩き始めたら持って歩く・拾う・追いかける、2歳ごろから投げる、3〜4歳で狙って蹴る・両手で受ける、5歳以降で片手やワンバウンドやルールのある遊び、というのが大まかな流れです。年齢は目安なので、いまできる段階の一つ先を、成功しやすい形で出してみてください。
投げても取れなくてすぐやめてしまいます。
受けるのはボール遊びの中でいちばん難しい動きで、3〜4歳では失敗の方が多くて当たり前です。距離を縮める、ボールを大きくてやわらかいものにする、胸の高さに山なりで投げる、ワンバウンドさせる、で成功の回数を増やしてください。取れたら大げさに喜び、取れなくても「惜しい」で終わると、続きやすくなります。
公園でボール遊びをしていいか、どうやって確かめますか?
入口や掲示板の看板を見ます。「ボール遊び禁止」「硬いボールは禁止」「小さなお子様に限る」などの表示があればそれに従います。表示がなくても、飛んでいく先に道路・砂場・遊具・休んでいる人がないか先に確かめて、道路の方へは蹴らない・投げないを約束にします。磐田市内の各園の可否は当サイトの現地調査待ちです。
きょうだいで年齢が違うとき、一緒にボール遊びできますか?
一人ずつ条件を変えると同じ遊びに入れます。上の子は片手で下の子は両手、上の子は遠くから下の子は近くから、といった形です。順番に的あてやシュートをする遊びにすると、ボールの取り合いも減ります。上の子が「ずるい」と言ったら、「〇〇は2歳だから」と理由を短く伝えれば、たいてい納得します。
磐田市内でサッカーゴールのある公園はどこですか?
市の施設ガイドに「サッカーゴール」の記載がある園として、水堀公園、安久路公園、豊田富里農村公園、竜洋十束公園があります。バスケットゴールの記載は兎山公園、豊田原新田公園、豊田東原梅ノ木公園、豊田本郷公園、豊田ラブリバー公園、浜部農村公園などにもあります。団体利用の時間や小さい子が使える時間帯は当サイトの現地調査待ちです。
出典・参考
本記事は一般的な情報と磐田市の公開情報にもとづく読みものです。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。