市の施設ガイドのバリアフリー表示の意味と限界:車いす・乳幼児用設備・オストメイト
磐田市の施設ガイド(公園)には、園ごとのページにバリアフリーの表示があります。項目は一般駐車場・障がい者用駐車場・車いす使用者用トイレ・乳幼児用設備・オストメイト対応・車いす対応出入口の六つです。もともとは車いすの方や障がいのある方のための情報ですが、ベビーカーを押す親、下の子を抱っこして上の子を追いかける親にとっても、「行けるかどうか」を左右する手がかりになります。
結論から言うと、この六つの表示は「その設備が園にある」ことを示すもので、「使いやすい」「今日使える」ことまでは保証しません。おむつ交換台の位置、多目的トイレの施錠や清掃の状態、駐車場から遊具までの段差や距離は、表示だけでは分かりません。この記事では、六項目それぞれが親子にとって何を意味するか、表示があっても現地で確かめたいこと、そして当サイトが踏査で補っていく項目を順に整理します。
磐田市の都市公園100園のうち、施設ガイドに個別ページがあるのは77園です。オープンデータでは車いす対応トイレ有が34園、トイレ有が69園、駐車場の記載や当サイトの判定で有とした園が33園あります。この記事の後半で、こうした数字の読み方も説明します。
施設ガイドの6項目は、それぞれ何を表しているのか
施設ガイドのバリアフリー表示は、市の施設ガイドで使われている枠組みで、六つの項目のそれぞれについて「有る/無い」を示すものです。公園に当てはめると、一般駐車場は車で来られるか、障がい者用駐車場は幅の広い区画があるか、車いす使用者用トイレはいわゆる多目的トイレがあるか、乳幼児用設備はおむつ交換台や授乳室などのいずれかがあるか、オストメイト対応は人工肛門・人工膀胱の方向けの設備がトイレにあるか、車いす対応出入口は段差なく入れる入口があるか、を表します。
大切なのは、これらが「有無」の表示であって、「数」「位置」「状態」ではないことです。多目的トイレが一つでもあれば有、おむつ交換台が男女どちらかのトイレに一つあれば有、となります。広い公園では、表示が有でも遊具から遠く離れた場所にしかない、ということも起こりえます。表示を見るときは、「ある」と「使いやすい」は別、と頭に置いておくと、当日の落差が小さくなります。
| 表示項目 | 意味 | 0〜7歳の親にとっての読み方 |
|---|---|---|
| 一般駐車場 | 駐車場がある | 車で行ける。台数・遊具からの距離は別に確かめる |
| 障がい者用駐車場 | 幅の広い区画がある | 乗降スペースの目安。ただし必要な方の優先が原則 |
| 車いす使用者用トイレ | 多目的トイレがある | ベビーカーごと入れる広さ。おむつ交換台がある可能性 |
| 乳幼児用設備 | おむつ交換台・授乳室・ベビーキープ等のいずれかがある | 何がどこにあるかは現地で。個室のトイレ側かも要確認 |
| オストメイト対応 | オストメイト用の設備がトイレにある | 親子に直接の関係は薄いが、設備が新しめの目安になることも |
| 車いす対応出入口 | 段差なく入れる出入口がある | ベビーカーで入りやすい入口がどこかの手がかり |
一般駐車場・障がい者用駐車場:ベビーカーと抱っこの親にとっての意味
一般駐車場の表示は、車で行けるかどうかの最初の分かれ目です。磐田市の公園では、市の施設ガイドに「駐車場:有り」「あり」といった記載がある園と、記載のない園、「なし」と明記された園があります。当サイトの集計では、施設ガイドの記載や当サイトの判定で駐車場有とした園は33園です。裏を返せば、100園の多くは駐車場の記載がなく、住宅地の中の街区公園は徒歩や自転車で行く前提と考えたほうが現実的です。
障がい者用駐車場は、車いすの方の乗り降りのために幅を広く取った区画です。この区画は、必要とする方のためのものなので、ベビーカーの乗せ降ろしが大変でも一般の区画を使うのが原則です。ただ、この表示があるということは、駐車場から園内への動線に段差の配慮がある可能性が高い、という手がかりにはなります。乗り降りに時間がかかる家族(下の子をチャイルドシートから降ろし、上の子を先に降ろさない、など)は、区画の端や壁側を選ぶと落ち着いて準備できます。
駐車場で親が気にしたいのは、区画の幅より駐車場と遊具の間の動線です。駐車場から遊具まで車道を横切るか、園路は舗装か砂利か、途中に段差や階段はあるか。これらは表示からは分かりません。市の施設ガイドの備考欄には、今之浦公園の「駐車場以外の場所への駐車はご遠慮ください」のように、駐車に関する注意が書かれている園もあり、行く前に一度目を通しておくと安心です。当サイトでは、駐車場から遊具までの距離と段差の有無を踏査項目に入れています。
車いす使用者用トイレ=多目的トイレ:親子にとっての使いどころ
車いす使用者用トイレは、一般に多目的トイレ、みんなのトイレなどと呼ばれる広い個室です。磐田市の施設ガイドでは、園内施設の欄に「トイレ(多目的トイレ)」と書かれている園がこれに当たることが多く、オープンデータでは「車いす対応トイレ」のフラグが有の園が34園あります。親子にとっての使いどころは三つあります。ベビーカーごと中に入れること、上の子と下の子を一緒に連れて入れること、おむつ交換台やベビーキープが設置されている可能性が高いことです。
一方で、多目的トイレは車いすの方、オストメイトの方、介助が必要な方が優先です。混んでいるときや、他に使える個室があるときは一般のトイレを使い、多目的トイレは「ベビーカーごと入らないと無理」「上の子と下の子を一人で連れている」といった場面に限る、と考えておくと、譲り合いがしやすくなります。使うときは長居せず、出るときはドアが開いたまま放置しない、といった基本も、上の子に見せていきたいところです。
表示だけでは分からないのが、便器の様式(洋式か和式か)、おむつ交換台の有無、清掃の状態、施錠されていないか、です。多目的トイレでも、古い園では設備が限られていることがあります。また、多目的トイレの表示が有でも、公園の広さによっては遊具から遠いことがあります。急に「トイレ」と言い出す2〜4歳を連れて行くなら、着いたらまずトイレの場所と遊具までの距離を確かめておくと、あわてずに済みます。
乳幼児用設備:おむつ交換台・授乳室・ベビーキープは別物
乳幼児用設備の表示は、親にとっていちばん気になる項目ですが、いちばん幅のある項目でもあります。おむつ交換台、授乳室、ベビーキープ(個室内で子どもを座らせておく椅子)、子ども用の小さな便器や手洗いなど、どれか一つでもあれば「有」になります。公園のトイレの場合、多くはおむつ交換台のことを指すと考えられますが、表示だけでは分かりません。
おむつ交換台と一口に言っても、壁から折りたたんで出す台なのか、多目的トイレの中の台なのか、男性トイレ側にもあるのか、で使い勝手が変わります。父親が下の子を連れて行くとき、女性トイレにしか交換台がないと使えません。ベビーキープは、親が用を足す間に立ち歩き始めた子を座らせておくもので、これがあるかどうかで、1〜2歳を一人で連れてトイレに行けるかが決まります。授乳室は公園には少なく、多くの場合は車の中やベンチで授乳ケープを使う前提になります。
したがって、乳幼児用設備の表示は「何かはある」と受け取り、何がどこにあるかは現地で確かめる、あるいは当サイトの踏査結果を待つ、という使い方になります。当サイトの条件別さくいん「おむつ交換台」は、踏査で確認できた園を載せていく予定で、現時点では現地調査待ちです。行く前に確かめられない日は、レジャーシートや車の後部座席で替えられるよう、おむつ替えセット(シート・おむつ・おしりふき・袋)を持ち歩くのが確実です。
- おむつ交換台:どのトイレ(男性側・女性側・多目的)にあるかで使える人が変わる
- ベビーキープ:1〜2歳を一人で連れてトイレに入れるかを左右する
- 授乳室:公園には少ない。車内やベンチで授乳ケープを使う前提で準備する
- 子ども用便器・手洗い:トイレトレーニング中の子には大きな違いになる
オストメイト対応・車いす対応出入口:ベビーカーの段差と幅の手がかりに
オストメイト対応は、人工肛門・人工膀胱をお持ちの方が装具の交換や洗浄をするための設備がトイレにあることを示します。0〜7歳の親子に直接の関係は薄いですが、この設備は比較的新しい多目的トイレに備わることが多いため、トイレの設備が新しめである一つの目安になります。もちろん、これも必要な方のための設備で、洗浄用の流しをおむつ替えや手洗いに使うのは避けます。
車いす対応出入口は、段差なく園内に入れる出入口があることを示します。ベビーカーにとってこれはそのまま「押したまま入れる入口がある」という意味で、車止め(ポール)の間隔が狭くてベビーカーが通れない、入口が階段だけ、といった困りごとを避ける手がかりになります。ただし、表示は「一つはある」の意味なので、どの入口がそうなのかは現地で探すことになります。駐車場側の入口が段差ありで、反対側の歩道からの入口が段差なし、ということもあります。
ベビーカーの親が出入口で見たいのは、段差の有無に加えて、車止めの間隔(横に並ぶ二人乗りベビーカーは通れないことがある)、入口から遊具までの園路が舗装されているか、園路の途中に階段や急な坂がないか、です。これらは車いす対応出入口の表示があっても、園の中まで保証されるわけではありません。当サイトでは、踏査でベビーカーの通りやすさを入口・園路・遊具まわりの三段階で記録していく予定です。
表示があっても現地で変わること:施錠・故障・清掃・距離
六項目の表示は、公園の「仕様」を示すもので、「今日の状態」を示すものではありません。多目的トイレが施錠されている、故障中の貼り紙がある、清掃が追いついていない、といったことは、どの公園でも起こりえます。おむつ交換台が撤去されていた、故障で使えなかった、というのも珍しい話ではありません。表示を信じて行ったのに使えなかった、という落差を減らすには、着いてからの確認を習慣にするのが確実です。
順番としては、着いたらまず遊具の前に、トイレの位置と状態、駐車場から遊具までの動線を見ておきます。トイレが使えないと分かった時点で、近くの別の園に移るか、短時間で切り上げるかを決められます。特に、トイレトレーニング中の子や、おむつ替えの回数が多い0歳を連れているときは、この一手間で当日の見通しが立ちます。故障や汚れに気づいたら、市の都市整備課(電話 0538-37-4806)へ知らせると、次に使う人のためになります。
| 表示 | 表示で分かること | 現地で確かめること |
|---|---|---|
| 車いす使用者用トイレ | 多目的トイレがある | 施錠・故障・清掃、洋式か、交換台の有無、遊具からの距離 |
| 乳幼児用設備 | 何かがある | 交換台の場所(男性側にもあるか)、ベビーキープ、授乳できる場所 |
| 一般駐車場 | 駐車場がある | 台数、遊具までの距離、車道を横切るか、園路の舗装 |
| 車いす対応出入口 | 段差なしの入口がある | どの入口か、車止めの間隔、園路の坂や階段 |
インクルーシブな遊具とバリアフリー表示は別の話
バリアフリー表示の六項目には、遊具についての項目はありません。ところが近年、障がいの有無や年齢、体の大きさにかかわらず一緒に遊べるように工夫されたインクルーシブな遊具を取り入れる公園が増えており、これは親子にとってバリアフリー表示とは別の、もう一つの視点になります。磐田市では、御厨の安久路公園について、市の施設ガイドに「複合遊具(インクルーシブエリアあり)」「ブランコ(インクルーシブアイテムあり)」の記載があります。
インクルーシブな遊具の考え方は、車いすの子だけのためのものではありません。背もたれのあるブランコの座席は、まだ体をうまく支えられない1〜2歳の子にも向いていますし、スロープで登れる複合遊具は、階段が怖い子や、下の子を抱っこしたまま上の子に付き添う親にも使いやすいものです。「みんなが一緒に遊べる」設計は、結果として乳幼児連れの家族にも恩恵があります。ただし、具体的にどのような遊具がどう配置されているかは、当サイトの現地調査待ちです。
遊具の安全に関する国土交通省の指針でも、遊具の対象年齢の表示や、保護者の見守りを前提とした利用が示されています。インクルーシブな遊具でも、対象年齢の表示や使い方の注意は同じように見て、背もたれ付きの座席でもベルトの締め方や乗り降りの手順を守ります。当サイトでは、インクルーシブな遊具の有無と、その使い方の表示を、遊具の項目の一つとして踏査で記録していく予定です。
磐田市の数字の読み方と、当サイトが踏査で補う項目
磐田市の都市公園100園のうち、市の施設ガイドに個別ページがある園は77園です。つまり23園はバリアフリー表示そのものがなく、表示が無いことは「設備が無い」ことを意味しません。オープンデータ(94行)の集計では、トイレ有69園、車いす対応トイレ有34園、砂場有43園、遊具有64園です。トイレがある園のうち、およそ半分に車いす対応トイレがある、と読めます。駐車場は、施設ガイドの記載や当サイトの判定で有とした園が33園です。
種別で見ると、街区公園(51園)は住宅地の中の小さな公園が多く、トイレや駐車場が無い園も珍しくありません。近隣公園(14園)や地区公園(4園)、総合公園(3園)は、面積が大きく、多目的トイレや駐車場が備わっている園が多い傾向です。ただし、大きい園ほどトイレや駐車場から遊具までの距離が長くなる可能性があり、表示が「有」でも動線は別に確かめたいところです。数字は当サイトの一覧やさくいんで、園ごとに確かめられます。
当サイトが踏査で補っていくのは、表示の「先」です。多目的トイレの施錠の有無と洋式かどうか、おむつ交換台の場所(男性側にもあるか)とベビーキープの有無、駐車場から遊具までの距離と段差、ベビーカーで通れる入口と園路、インクルーシブな遊具の有無。これらを園のページに、確認した日付とともに載せていきます。表示を読む力と、着いてから確かめる習慣、そして踏査結果の三つがそろえば、「行ってみたら使えなかった」を減らせると考えています。
よくある質問
「乳幼児用設備あり」の公園なら、おむつ交換台は必ずありますか?
必ずとは言えません。この表示は、おむつ交換台・授乳室・ベビーキープなどのいずれかがあれば「有」になります。公園では多くの場合おむつ交換台を指すと考えられますが、場所(男性側にもあるか、多目的トイレの中か)や故障の有無は表示では分かりません。当日はおむつ替えセットを持ち歩くのが確実です。
ベビーカーで多目的トイレを使ってもいいですか?
ベビーカーごと入らないと用が足せない場面や、上の子と下の子を一人で連れている場面では使ってよいと考えます。ただし車いすの方やオストメイトの方が優先です。他に使える個室があるときは一般のトイレを使い、使うときは手早く、が基本です。
障がい者用駐車場に、少しの間だけ停めてもいいですか?
避けたいところです。幅の広い区画は、車いすの乗り降りに必要な方のためのもので、ベビーカーの乗せ降ろしが大変でも一般の区画を使うのが原則です。乗り降りに時間がかかる家族は、区画の端や壁側を選ぶと落ち着いて準備できます。
施設ガイドに載っていない公園は、トイレも駐車場も無いということですか?
そうとは限りません。磐田市の都市公園100園のうち、施設ガイドに個別ページがあるのは77園で、残りの園は表示そのものがありません。オープンデータのフラグ(トイレ・車いす対応トイレなど)で分かることもあるので、当サイトの園のページで確かめてください。
インクルーシブな遊具がある磐田市の公園はどこですか?
市の施設ガイドには、御厨の安久路公園に「複合遊具(インクルーシブエリアあり)」「ブランコ(インクルーシブアイテムあり)」の記載があります。具体的な遊具の種類や配置、対象年齢の表示は当サイトの現地調査待ちで、踏査で確かめて園のページに載せていきます。
出典・参考
本記事は一般的な情報と磐田市の公開情報にもとづく読みものです。個々の公園の設備・状態は現地でご確認ください。医療・安全に関する判断は医療機関・関係機関の指示を優先してください。